第3回目 無しは「なし」で? 小説界の正義!? に迫る

 いよいよ、セットしてた全5日間連続の作品公開が済みました。(パチパチパチ)


 で、公開前に第三者にこの作品を見てもらっていたら、


「『出来る』は"できる"でね」 えっ?


「『事』は"こと"になおして」 は??


「『出来事』は漢字のままで」???



 意味がわからないーーー?!


 何なのそれ!?「出来る」も「事」も「ひらがな」なのに「出来事」は漢字?

 そもそも漢字って勝手に書いちゃ駄目なの?表現の自由は何処へ行ったんだぁ!


「いや、まず『駄目だめ』と『何処どこ』がアウトだから」


 ……。だってスマホって、自分で書けない漢字も出るし、漢字使った方がお利口そうじゃん! で、ポチってた私。


 その認識、間違ってますからぁ。


 ◆


 というわけで今回は、『ひらがな表記って、そんなに大事?』というテーマで考察してみます。


 そもそも、「そんなこと、漢字じゃ書かないでしょ」とおっしゃる現世代の皆様。

 スミマセン。 小生は「仏恥義理夜露死苦ぶっちぎりよろしく!」の漢字文化に慣れ親しんだ世代です。


 ◆


 ◇◇『なぜ漢字がダメなの?』◇◇


「切った張った」が当たり前と思ってたら、どうやらそれすらもひらがなという、なんと味気ない方式に変わっていったのでしょう。

 その意図こころ

「ひらがなでやさしくが正義」とされているようです。

 (ほぅ)


 ◇◇『商業小説の書き方事情』◇◇


 特に商業小説は

 ・読みやすさ・分かりやすさが正義

 ・活字離れにとっつきやすさを重視

 ・漢字多用による読み飛ばしを懸念

  ↑ いや、ここは大事!


 様々あるようなので、ここはひとつ、確認してみましょう


 ◇◇【これだけはひらがなに!】◇◇


 動詞・・・副詞・・・形容詞・・・他疑問・接続詞

 いう・・・いま・・・ながい・・・いつ

 かえる・・すこし・・くらい・・・どこ

 できる・・はやく・・はやい・・・なに

 おわる・・たまに・・たのしい・・なぜ

 とめる・・ぐっと・・おおきい・・また

 わかる・・そっと・・ちいさい・・そして

 みえる・・ちゃんと・うれしい・・けれど

 おこる・・まったく・さびしい・・だから

 はじめる・たくさん・あたらしい・ところが


《ポイント:》

 ○動詞 → 複数の意味があるので、テンポ重視でひらがな


 ○副詞 → 見た目とやわらかさ重視


 ○形容詞 → 感情がやさしく伝わるように


 ○疑問詞・接続詞 → 流れをなめらかにするため


 ちなみに……


 ルビにも制限があるらしいです


 当て字も好まれないですって  ←やりまくってました(白目)


 で!も!


 ◇◇『ここまで聞いても残るこだわり!』◇◇


「言葉のニュアンスはどうなるのよ?」


「なにが?」


「わかるだって、判る、解る、分かる、ってあるから、表記の方が味があるんじゃないの?」


「ふつうの会話なら『わかる』だけじゃん」


「そーだけどさぁ。全然使えないって訳?」


 結局、最終的には


 ◇◇読み手の負担を減らす◇◇


 がコンセプトらしいです。


「止めるは?」


「『やめる』もあるからひらがな」


「言うは?」


「そのままでいいよ」


 PANIC!!


「動詞だけでも違うんかい」


「表記の揺れもあるから」


 と言われました。


 ……? なに? 表記の揺れって??

 ???(この件については次回)???


 ◆


 今回も、超初心者は「こんなことすらも知らなかった」というお話です。 


 ◇◇『セリフと地の文、表記のルール』◇◇


 ◇一度書いた表記はその形で貫く!

 ◇セリフはひらがな、地の文は漢字で徹底統一など、様式を先に決めておくと楽。

 ◇『一二三』などの形式は統一


 は、最低限守ろう!と言われました。


「……」


「どうした?」


「セリフって『はなしことば』よね」


「そうだよ」


「地の文って何?」


「そこからかーーい!?」


 どうやら地の文というのは、いま書いてるような説明文とゆーか、ナレーションのことを言うらしい。


「あ、今の文もね『様』は"よう"で、『事』は"こと"で書くんだよ。『言う』は表記ゆれだからね」


(……泣きたい)


 ◆


 ◇◇ 今回のまとめ ◇◇


「読者にやさしいことが最大の理由!」


 これが正義だぁぁあ!とのことでした。


 漢字で理解してもらおう、じゃなくて、伝えるために〈あえて〉ひらがなにしましょう。 この感覚が意外と大事(だそう)です!


 このルールを胸に、6月1日から公開予定の全18話をただいま鋭意校正中。


(もちろん、ちゃっかりPRも忘れてません!)


 さて、次回は、そんな“ひらがなと漢字のゆらぎ”=「表記の揺れ」問題について、もう少し突っ込んで語ってみようかなとか考えてます。(いつになるかなんて知りません)

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