美しいタイトルの不思議な短編集。 先ずは一つ目の、他人の『死相』を視てしまう友人の話。此岸と彼岸との あわい は間違いなく存在して、それを視る事が出来る者は多分其処に存在しているのだろう。その目に映るものは、否、その者自体が宵闇へと移り変わる刻の陌間に取り残されている。その想いは如何ばかりであろうか。まだ始まったばかりの作品。これから更に不思議な話が増えるのだろうか。宵にかかる頃。 花の色は一層、鮮かさを増してはこの世の境を曖昧にする。後に続いてゆく話を心待ちに。