ヤッコのメカニカ百科事典。~ 高貴なモフモフはツルツルと旅に出ます!~
水春 煙
序章 スノーキャット
此処はメカニカ。モフモフたちが街を治め、魔法が当たり前に使われている世界だ。
モフモフが沢山住むこの世界、その中でも抜群に高貴な血筋であるオレは気ままにこの世界を旅する事にした。
……決して雲の上でダラダラ&ゴロゴロしてるオレを見た父さんが笑顔で外の世界を自分の目で直接見てこいとか言ったからじゃなくて、オレが自分で旅に出る事を決めたんだからな?そこは間違えるなよ。
あぁ、しかし面倒だ。
のんべんだらりと暮らしていたいだけなのに、何が弟たちに悪いって言うんだ?まったく。
ご飯だって必要ないから食べてないし、無駄飯食らいって訳でも無いのにな。
……まぁ仕方ない、こうなってしまってはもうどうしようもない。
で、あれば誰にも文句を言われない、オレにとって都合が良くて居心地の良い安住の地を探してやろうじゃないか。
いつか帰ってこいと言われても絶対に帰らないからな。
そうだ、ただ旅に出るだけと言うのも勿体ないよな。
文字が書けて絵も描けるツルツルを連れて旅しよう。
そうしたら道中の話し相手にも困らんし。
あとはあれだなー、出来れば魔力はあんまり消費したくないしオレの住処と寝床を整えるツルツルも欲しいな。
旅の途中で出逢った動物や見つけた植物、道具なんかも絵が入った図鑑にすれば、将来的に飽きる事は無いだろう。
ちなみにツルツルは人間のことだ。つるつるしてて、毛並みもないくせにちょっと生意気。
でも、オレのことを綺麗だって言った。
しかも「描かせて」って頼んできたんだ。
――まあ、長い長いスノーキャット生だし気まぐれでちょっとだけ付き合ってやるのも悪くないか。
そうと決まればオレが直々に声を掛けに行ってやろう。
確かあのツルツルは水とか氷が沢山ある温室に居たハズだ。
他にもツルツルは居るし、何棟も温室はあるけど他の温室は暖かすぎてオレには合わないからな。
あの温室は持ち運び出来るし、オレの魔法を使えば浮かせる事も出来る。
って事は当面の寝床の心配は要らないんじゃ?流石オレ。よく気付いた。やっぱり寝床は大事だからな。
「ツルツル、オレの事を描かせてやるから、オレの旅に付き合え」
「えっ!?」
オレの言葉に嬉しいような、驚いたような変な顔をしているツルツルがそこに居た。
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