月の光はレモンの香り

❄️冬は つとめて

第1話 (前編)月の光はレモンの香り

欲しいものは手に入らない。


まるであの月のように。


煌々と光る黄色い月。


「あの人のようね。」

彼女は手を宇宙そらへと伸ばした。


どんなに憧れても、手はとどかない。でも憧れずにはいられない。


「でもね。」

彼女は買い物袋から丸くて黄色い物を取り出し、月にかざす。


重なり合う、月とレモン。


「近くには触れ合える、彼がいる。」

レモンのように爽やかさと、渋味を持つ彼。


「コレが本当の恋。」


月の光を背負うレモン。


憧れの月のように。


月の光はレモンの香りがする。



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