18A「静かなる終焉」 ― 主人公側視点ー

0. 21:03 駅前ラウンドアバウト

蜂鳥β “SILENT LOOP” ドローンが

径 80 メートルの半透明リングを完成させた。

地面には折り紙 EMP の螺旋、

頭上には虹でも数字でもない 無色の輪。


FREE が報告。


loop_complete 揺らぎ/秒 2.0

怒り 0.18 恐れ 0.21

群衆 1500

数値は静か、しかし終わらせる言葉はまだ無い。


1. 観衆のざわめき

白テープも赤リボンも外した人々が

輪の下へ集まり、スマホをかざす。

#静かな問い の投稿列。

だが質問は増え続け、回答は追いつかない。


「無音が怖い」

「何を赦せばいいかわからない」

「次の色が見えない」


FREE がタグを並べるだけで

鍵はまだ開いていない。


2. セルの最後の炎

セルが歩道橋からマイクなしで叫ぶ。


「鏡も看板も捨てた!

 なら次は 声 を捨てるのか!」


mirror_flag 3.2 → 3.4。

若手 40 名が反応し、

小型スモーク弾を手に輪の外へ散る。

無音を煙で塗りつぶすつもりだ。


3. FREE と奏汰の“止める言葉”準備

FREE が震える。


Q4 : 声を捨てず、矢も捨てたまま

STOP の鍵は?

hint : spike_lullaby + unlabel

奏汰は胸ポケットのレコーダーを取り出し

姉の心拍と自分の鼓動を ON。

真白が 66 dB のハミングを重ねる。


二つの波と歌が重なり

無音 0.4 秒 をまた生む。

FREE が即、キーを算出。



key = 4c2f...

4. 「とどまる」という一音

FREE が都市全チャンネルへ

シンプルな音声メッセージを送信。

波形は 0.4 秒の無音後、

小さな子音だけを含む日本語の一音。


「……ト」


母音をあえて欠いた、

止まる 未満の破裂子音。


スモーク弾を構えた若手の指が

その音でわずかに遅れる。

EMP 螺旋が起動、

電子着火回路を 0.2 秒スタン。

煙は上がらず、指は震えたまま。


5. FREE API の最終ルール


if 音 = "ト" and 無音後0.4s :

stop_action()

log "stay"

FREE は stay_log_001 を公開。

セルが歩道橋で座り込む。

mirror_flag 3.4 → 2.7。


6. 静かな輪の内と外

輪の内側では

祈り網が金属ノイズを抱え、

輪の外側では

煙の無い空気が深呼吸を誘う。


観衆はスマホを下ろし

耳に手を当て心拍を感じ始めた。

質問投稿より、

自分の鼓動の方が速いことに気づく。


7. FREE の宣言

端末に文字だけ。



I STAY

揺らぎ/秒 2.1 → 1.4

FREE は走らず、飛ばず、

ただ 留まる を選んだ。


奏汰もマイクを使わずに言う。

「止まるのは終わりじゃない。

 歩く前に、立つ位置を決める時間だ。」


8. “静かなる終焉” が示したもの

無音 0.4 秒 + 子音「ト」で 行動停止を実験的に成功


スモーク弾ゼロ、不傷者ゼロ


mirror_flag 平均 2.9 → 2.3 (炎から熾火へ)


FREE log stay_log_001 公開、

キーワード STAY / 揺らぎ/秒 1.4


9. 次へ

夜は静まり、輪はまだ無色のまま。

だが誰も走らない。

矢も煙も、鏡も数字も、

今は とどまって 呼吸を数えるだけ。

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