第37話 香澄と凛子㊲

それから暫くして落ち着いたのか震えは止まり、代わりに寝息が聞こえてきました。

どうやら眠ってしまったようです。

私は彼女を抱き上げると寝室へと運んであげました。

そして布団をかけてあげると私も隣に横になって一緒に眠ることにしました。

翌朝になると、彼女は既に目を覚ましていました。

しかし、まだ眠たいようで目を擦っている姿がとても可愛らしいと思いました。

そんな彼女を見ていると自然と笑みが溢れてしまいまいしたし、

それに気付いた彼女が首を傾げていたので何でもないと言って誤魔化しました。

その後朝食を食べ終えると二人で外出することにしましたので準備をするために

一旦部屋に戻ることにしますが、その際に彼女の方を見ると何やら考え込んでいる様子だったので声をかけてみることにしました。

すると彼女は少し恥ずかしそうにしながらもこう言いました

「あの……今日はお買い物に行きたいんだけどいいかな?」

それを聞いた瞬間、私は嬉しくなってすぐに了承の返事を返しますと早速出かける準備を始めたのです。

まず最初に訪れたお店では下着を購入することになりました。

そこで、私たちはそれぞれ別々の試着室に入りました。

しばらくして着替え終わると出てくるのですが、その際にお互いに見せ合うことになり ましたが特に気にすることもなく普通にしていました。

その後、他にも何軒かお店を回り最終的に決まったものを購入してから帰ることにしましたが、

その時も何事もなく帰宅することが出来ましたので良かったです。

その夜、二人でお風呂に入りながら今日のことを振り返っていると凛子が話しかけてきました

「ねぇ香澄」

「どうかした?」

そう聞き返すと彼女は照れ臭そうにしながらも続けます

「私ね、貴女と出会えて本当に良かったって思ってるんだ!」

その言葉を聞いて嬉しくなり思わず抱きしめてあげると彼女もまた抱き返して来てくれました。

しばらくそうしていた後、どちらからともなく顔を離すと見つめ合いそのままキスをしてしまいます。

「んっ……ちゅぷ」

舌を入れると歯茎や上顎などを舐め回した後、一旦離すと彼女の顔は蕩けたような表情になっていました。

そこで改めて質問をすることにしました

「それで凛子は、どんな風に思ってるの?」

そう訊くと彼女は少し間を置いた後答えました

「えっと、その……あっ」

恥ずかしくなってしまったのか頬を赤く染めながら視線を逸らしてしまいましたが、すぐに戻して話を続けます

「もっとキスしたい」

その言葉を聞いた瞬間、胸が高鳴り興奮が抑えられなくなってしまいました。

「そろそろお風呂から出ようか、のぼせると良くないしね」

そう言って湯船から出て体を洗い始める私を見ながら凛子もまた自身の身体を洗い始めました。

しばらくしてお互いに洗い終えると再び湯船に戻り温まる事にしますが、その間もずっと手を繋いでいたのでした。

その後、上がった後は髪を乾かしたりして就寝する準備を進めていくことにしましたが、その際にふと疑問に思ったことがあったため訊ねてみました

「凛子は明日休みだから良いけど私は仕事なんだけど……」

「えっ!? あっ本当だ……」

どうやらすっかり忘れていたようで焦っている様子でしたが、そんな姿もまた可愛らしいと思ってしまいますし、

また同時に愛おしくも感じてしまうのです。

そんなことを考えているうちに無意識のうちに抱きしめてしまっていたようです。

そこで慌てて謝ろうとしましたが、それよりも早く彼女の方が口を開きました

「大丈夫だよ、明日は私が送っていくから」

それを聞いて安心した私は再び抱きしめると今度は首筋に吸い付き始めました。

初めはくすぐったそうに身を捩っていましたが、次第に艶っぽい吐息を漏らすようになってきましたので満足した私は解放してあげることにしました。

それから間もなくして眠気が襲ってきたため彼女の体温を感じながら眠りにつくことにします。

翌朝、目が覚めると既に隣には誰もいませんでしたが、台所の方から音が聞こえてきたためそちらへと向かうことにしました。

するとそこには朝食の準備をしている凛子の姿があり、声をかけるとすぐに気づいて振り返ってくれました。

そこで改めて挨拶を済ませた後、準備が整うのを待ってから一緒に食べる事にしたのですが、その際に彼女の方から質問を投げかけられました

「ねぇ香澄」

「ん? どうかした?」

そう訊き返すと彼女は少し恥ずかしそうにしながらも続けます。

「今日の夜も一緒にお風呂に入らない?」

その提案を快諾すると彼女は嬉しそうに笑みを浮かべていましたが、その後すぐに恥ずかしくなったようで顔を伏せてしまいました。

そんな姿もまた愛おしく感じる私は思わず抱きしめてしまうのですが、それに対しても拒絶されることなく受け入れてくれるのです。

そんな幸せな日々を過ごしていたある日のこと、ふと疑問に思ったことがあったため訊ねてみました

「ねぇ凛子、一つ聞きたいことがあるんだけど良いかな?」

そう尋ねると彼女は少し考える素振りを見せた後でこう答えました。

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