第36話 香澄と凛子㊱
それからしばらくした後、私達はお風呂から出てリビングに向かいました。
そこでテレビを見ながらくつろいでいると不意に彼女が話しかけてきました。
「あのね香澄、今日はありがとう!」
突然のことで少し驚きましたが、すぐに笑顔を浮かべて答えることにしました。
「ううん、こちらこそ誘ってくれてありがと! すっごく楽しかったよ!」
「そっかぁ~♪ ならよかった!」
そう言った後、彼女は嬉しそうに微笑みました。
その笑顔がとても可愛らしかったので思わず見惚れてしまいましたが、すぐに我に返ると咳払いをして誤魔化しました。
それからしばらくの間、私たちは何をするでもなくダラダラと過ごしていましたが、やがて眠気が襲ってきたため就寝することにしました。
次の日の朝、目覚めると隣には凛子の姿がありました。
昨日の出来事を思い出した私は恥ずかしくなってしまい顔を赤らめてしまいましたが、同時に嬉しい気持ちも湧いてきて思わず笑みをこぼしてしまいました。
その後、朝食を作って食べた後、仕事へと向かいました。
その日の仕事も順調に終わり、夕方に帰宅すると玄関で彼女が出迎えてくれました。
その姿を見た途端に疲れが吹き飛びましたし、何よりも愛おしく感じてしまうのです。
そんなことを考えているうちに思わず抱き着いてしまいました。
すると彼女は驚いたような反応を見せましたが、すぐに笑顔になり優しく抱きしめ返してくれました。
その温もりを感じながら耳元で囁いてみることにしました。
「好きだよ」
「私も好きですよ~」
そんな会話を交わしているうちにだんだんと欲求が抑えきれなくなってきてキスをしたくなってしまう衝動に駆られます。
しかし、ここは家の中でまだ夕方ということもあって、流石にそれはまずいと思いなんとか堪えました。
そして我慢したご褒美として彼女の頬にキスをしました。
そうしたら、彼女が顔を真っ赤にして固まっていたのです。
その様子を見て可愛らしいなぁと思いましたし、それと同時に愛おしさを感じたので今度は唇にキスをしました。
すると彼女も応えるようにキスをしてきてくれてお互いに貪るようなディープキスをしました。
それから少し経ったところで口を離して舌を引き抜きましたが銀色のアーチがかかっていました。
それを見た途端余計に興奮してしまい、もう一度キスをしました。
そして再び長いキスをしてから離れますとお互いの顔は真っ赤に染まっていたのです。
それから少し間を置いて、再びキスをして、そして今度は舌を入れてきました。
最初は驚いたもののすぐに受け入れて、私も彼女の舌に吸い付くようにしゃぶりつき、お互いの唾液を交換しあった後、ようやく解放されました。
その後もしばらく放心状態になっていましたが、やがて正気を取り戻してくると猛烈な羞恥心に襲われてしまいました。
しかしそれは決して嫌なものではなく寧ろ快感さえ覚えているほどなのです。
そのため私はもう一度、彼女に迫ろうとしたのですが、寸前で理性を取り戻すことができたため踏みとどまることができました。
それから程なくして完全に冷静さを取り戻したので、そのまま夕飯の準備に取りかかりました。
その後、出来上がった料理を食べ終わると、後片付けをしてからリビングに戻りました。
そうすると彼女がソファーに座っていたので私もその横に座りました。
そして二人並んでテレビを見ていたのですが、やがて番組が終わり暗闇だけが画面に写し出されました。
そんな時でした。
突然彼女が私の太ももの上に乗ってきて馬乗りになってしまったのです。
そして、そのまま私に覆いかぶさってくると唇を奪われてしまいました。
突然のことに驚いて硬直してしまった私ですが、すぐに反撃に出ようとしました。
しかし、それよりも早く彼女の舌が侵入してきて蹂躙されてしまいます。
その感触がたまらなく心地よいものだったので抵抗する気力を失ってしまいました。
それどころかもっとしてほしいと思ってしまうほどでした。
やがて満足したのか彼女が離れていった時には既に力尽きており身動き一つ取れなくなってしまいました。
そんな状態でも意識はあるようで辛うじて呼吸ができている状況でした。
するとそこでようやく意識を取り戻すことができたのか彼女が慌てた様子で謝ってきました。
しかし、私はそんな彼女の頭を優しく撫でてあげると安心したような表情を見せてくれたので一安心しました。
やはりというべきかまたしても同じようなことを繰り返してしまうことになるのです。
それは、私が仕事から帰ってきた時の出来事です。
いつも通り帰宅すると、そこには既に彼女の姿がありました。
どうやら先に帰ってきていたようです。
ですが、何か様子がおかしい気がします。
そう思った矢先に彼女が突然抱き着いてきました。
そして耳元で囁いてきた言葉に私は思わず耳を疑ってしまったのでした。
なぜならそれは、今まで聞いたことがないほどに艶っぽい声だったからです。
そのため驚いてしまい動けずにいると、彼女は更に続けて言いました。
その言葉の意味を理解するや否や顔が熱くなるのを感じました。
そして同時に胸の奥底から何か熱いものが込み上げてきて、気がつくと私は泣いていたのです。
そんな私を見て心配そうな表情を浮かべる彼女に対して私は、と答えるので精一杯でした。
そして、再び唇を重ねると今度は私の方から舌を絡ませていきました。
すると、それに応えるように彼女も舌を動かしてきます。
やがて二人の口からは銀色の橋がかかりました。
それを見た瞬間、恥ずかしさのあまり顔を逸らしてしまいましたが、すぐに戻してキスを再開しました。
そして、再び舌を絡ませ合いながらお互いの唾液を交換し合います。
その間もずっと目を閉じていたのですが、不意に目を開けるとそこには恍惚とした表情の彼女がいました。
その姿はとても妖艶で美しく見えたのです。
だから私は、もう一度キスをしました。
今度は唇を重ね合わせるだけの軽いものでしたが、それでも十分すぎるほど気持ちよかったです。
その後も何度も繰り返しましたが一向に満足する気配はありませんでした。
しかし、流石にこれ以上続けるのはまずいと思い、なんとか我慢して切り上げることに成功しました。
それでも、まだ物足りないと思っていたのか彼女が物欲しそうな顔をしてこちらを見てきました。
なので、もう一度だけキスをしてあげると満足してくれたのか笑顔で抱きついてきました。
その時、彼女の身体が震えていることに気づきました。
どうやら寒さを感じているようだったので、私は自分の服を脱いで彼女に着せてあげることにしました。
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