第22話 香澄と凛子㉒

彼女は私にべったりと甘えてくるようになり、

私もそんな彼女を甘やかしながら過ごしていました。

それからというもの、私達は毎日のように愛し合うようになったのです。

それは、お互いの体を求め合ったり、キスをしたり、

時には一緒に寝たりすることもあったのですが、

それだけではなく、一緒に映画を観たり、食事をしたり、

旅行に行ったりすることもあり、とても充実した日々を送っていました。

その日から、私と彼女の関係は、更に深く親密なものになっていったのです。

そんなある日、唐突に凛子がこんな事を言い出すのです。

「香澄、何時も同じ事ばかりで飽きたの、違う事をしたいな」

そう言うと、彼女は、私に抱きつき、キスをしてきました。

私は、その言葉を聞いて、とても悲しくなってしまいました。

なぜなら、彼女が今まで、私としてきたことを、

全て否定されたような気持ちになったからです。

でも、それでも、私は彼女の願いを叶えてあげたいと思い、

勇気を振り絞って、彼女にこう言いました。

「何がしたいの? 凛子のしたい事、なんでもしてあげるよ」

そうすると、彼女は、にっこりと微笑みながら、

私の耳元で、こう囁いたのです。

「私、香澄のこと、大好きだから、

もっともっと愛したい、だから、もっと愛し合いましょう?」

それを聞いた瞬間、私の顔は真っ赤になってしまいました。

しかし、それでも、彼女の事を愛しているという気持ちは変わらないので、

私は彼女の望みを叶えてあげる事にしたのです。

それから、私達は、より深く、激しく愛し合うようになりました。

「香澄の愛って激しいのね」

彼女は、そう言いながら、私に抱きついてきました。

そして、そのままキスをしてきました。

私は、彼女の行動に驚きつつも、

彼女のことを強く抱きしめ、キスを返します。

彼女の唇は、とても柔らかく、甘い味がしました。

それから、しばらくの間、私たちはキスを続けていました。

「あのね、キスばかりじゃいや、他もしたいの、ダメ?」

彼女は、恥ずかしそうにしながら、そう言ってきました。

「凛子、いくら私達が恋人だからって、

それはまだ早いし、やめましょう」

私がそう言うと、彼女は泣き出しそうな顔をしてしまいました。

そんな顔を見せられたら、断ることはできませんよね?

なので結局、私と彼女の関係はますます深くなっていったのです。

彼女との関係を深めれば深めるほど、私の心も満たされていく気がしました。

そうして、月日が流れて季節は冬となるのですが、

私は彼女が肌寒い時期になると、やたらとくっついてくるので、

とても困ってしまうのでした。

例えば、二人でベッドに寝ていたりする時にも、

突然私に抱きついてきたりすることがあるのです。

特に寝る時は本当に大変でして、

ただでさえ布団の中が狭くて暑いというのに、

それでもなお彼女は私に密着してくるので、

汗だくになってしまうことも少なくありませんし、それに何より寝苦しいのです。

でも、そんな彼女のことを嫌いになるどころか、

ますます愛おしく思えてくるのですから不思議なものです。

そして、今日もまた同じ朝を迎えました。

「香澄、おはよう」

そう言って凛子は私を抱きしめてきたのですが、

その行動に驚きを隠せませんでした。

しかし、そんな私の気持ちとは裏腹に、

彼女の行動はエスカレートしていき、ついには私の服を脱がし始めたのです。

「ちょっと!何するの!?」

と私が言うと、彼女は微笑みながらこう言いました。

「だって香澄の体って綺麗で触りたくなるんだもの」

そう言いながら私の体を撫で回してきたりしますし、

時にはキスを求めてきたりもするのです。

その度に私は抵抗しようとするのですが、

結局押し切られてしまい、結局は受け入れてしまうのでした。

そんな日々を送っていたある日のこと、唐突に凛子がとんでもない事を言い出しました。

「ねぇ、香澄、最近寒くなって来たからさ、服脱いで寝ようよ」

そう言って私に迫って来たのですが、当然の如く拒否しました。

しかし彼女は諦めようとせず、ひたすら食い下がって来たのです。

その結果、とうとう根負けしてしまい、 私は彼女の我儘を聞いてあげる事にしました。

そして夜になり、布団の中に入ると早速彼女は抱きついてきました。

その衝撃で目が覚めた私は彼女から離れようとしたのですが、

それを許さないとばかりに強く抱きしめられてしまったので身動きが取れず、

結局そのまま眠りについてしまいました。

翌朝目を覚ますと隣には凛子の姿があり、

私が起きると同時に彼女も目を覚ましてしまいましたが、

まだ寝ぼけているのか私の胸に顔を押し付けたまま離れようとしないのです。

そんな様子を見ていると思わず微笑んでしまいそうになりますが、

何とか堪えつつ彼女を引き離してあげました。

それからしばらくして、朝食を済ませると、

今日もまたいつも通りの日々が始まるのかと思っていましたが、

そんなことはなく、今日は休日だったので家でゆっくり過ごす予定でした。

ですが、その前に凛子に捕まっちゃいました……。

結局彼女に付き合わされて休日を棒に振ってしまうことに

なったわけですけど、それでも彼女が笑顔だったから良しとしましょう。

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