第10話 香澄と凛子⑩

それからしばらく抱き合っていたのですが、不意に凛子の方から言いました。

「ねぇ、香澄。キスしたい」

その言葉を聞くと、私はすぐに彼女の唇に自分の唇を重ね合わせました。

そして、何度も繰り返しキスを交わし続けました。

その時間はとても幸せなものでしたが、同時に物足りなさを感じていました。

それは凛子も同じだったようでした。

その証拠に、彼女は物欲しそうな顔で私を見つめてきましたので、

私は優しく微笑みかけると再び彼女にキスをしました。

今度は先ほどよりも長く深い口づけを交わしましたが、

それでもまだ満足できませんでした。

そこで今度は私が上になり彼女を押し倒してキスをしましたが、

やはりそれだけでは満たされないのです。

そこで私は思い切って彼女にお願いすることにしました。

「ねえ、もっと激しいキスをしてもいい?」

その言葉に彼女は一瞬戸惑いの表情を浮かべましたが、すぐに笑顔になって答えてくれました。

「うん、いいよ」

その言葉を聞いた私は嬉しくなって早速実行に移しましたが、

最初は上手くできなかったため何度か失敗してしまい

その度に謝罪の言葉を口にしていたのですが、

そのたびに凛子は優しく微笑んでくれて許してくれたので、私も安心して続けることができました。

そして何度目かの挑戦の後、ようやく成功した時には嬉しさのあまり感動してしまいました。

その後は何度も繰り返し行いましたが、 それでもまだ満足できずに求め続けました。

その結果、最終的には酸欠になりかけながらも続けることしかできませんでしたが、

それでも心はとても満たされていましたので後悔はありませんでしたし、むしろ幸せな気持ちでいっぱいでした。

とはいえ、これ以上続けることは難しいと判断して一度休憩することにしましたが、

それでもまだ興奮冷めやらぬ状態でした。

そんな私に対して凛子は優しく微笑みかけながら言いました。

「香澄は本当にキスが好きなんだね。でも私も好きだよ」

その一言で私の気持ちはさらに高鳴りましたが、

そこでふとある疑問が浮かんだので聞いてみることにしました。

「ねえ、凛子って今まで誰かと付き合ったことはあるの?

もしあるのならどんな人だったのか教えてほしいな」

そう尋ねると彼女は微笑みながら答えてくれました。

「私は今まで誰ともお付き合いしたことないよ」

その言葉を聞いた瞬間私は安心しました。

なぜなら、もし彼女が他の女性と付き合っていたとしたら、きっと嫉妬していただろうと思うからです。

しかし、それでもなお不安な気持ちは拭えませんでしたので思い切って聞いてみることにしました。

「ねえ凛子、キスしても良い?」

すると彼女は微笑みながら答えてくれました。

その笑顔を見た瞬間に胸が熱くなるのを感じましたし、

それと同時に安心感を覚えました。

そして、そのまま唇を重ね合わせることでお互いの愛情を再確認できたと思います。

その後しばらく抱き合っていましたが、やがてどちらからともなく顔を離し見つめ合います。

その時ふと気になったことがあったため聞いてみることにします。

「ねぇ凛子はどうして私を選んでくれたの?

私はあまり可愛いタイプじゃないと思うんだけど」

そう言うと彼女は少し考えて答えます。

それから続けて言いました。

「香澄の事を愛しているの」

その言葉に私は感動してしまい涙が出そうになりましたが、

それでもなんとか堪えることができました。

そして彼女の言葉に応えるようにキスをします。

彼女は少し驚いた様子でしたが、すぐに微笑みながらキスを受け入れてくれました。

激しいキスを繰り返していき最後には舌を入れてくるほどでした。

その刺激に耐えられなくなった私は、思わず彼女から離れてしまいましたが、

それでも彼女は追いかけてきて激しく貪るようにキスを続けました。

その激しさに耐えられなくなった私は彼女から逃げようとするのですが、

それを許さないように強く抱きしめられてしまうのです。

そして、再び激しいキスが始まりましたが今度は舌を入れられてしまうのでした。

快感に耐えられなくなった私は、彼女の唇から離れるのでした。

その姿を見た彼女は少し寂しそうな表情を浮かべていましたが、すぐに微笑んで言いました。

「これからデートでもする?」

そう聞かれ、私は迷わず答えました。

もちろん答えはイエスです。

それから私たちは手を繋ぎながら歩き出しました。

最初は普通に歩いていたのですが、途中から指を絡めてきたのです。

恋人繋ぎと呼ばれるような手の握り方です。

まるで恋人同士のような扱いを受けた事で嬉しくなった私はそのまま歩く事にしましたが、

周りに人がいない事を確認してから腕を絡めるようにしていました。

これが正解かどうかは分かりませんが、彼女の顔を見ると満足そうな表情を

浮かべていたので問題はないのだと思いますし、

それに私も幸せな気分になっていたので何も問題ありませんでした。

それからしばらく歩いたところで休憩するために公園に入りベンチに腰掛けました。

そこでは周りに人がいないため思う存分イチャイチャする事が出来ます。

なので遠慮なくキスをしていたのですが、途中で止められてしましました。

どうやらこれ以上続けると我慢できなくなるからだそうですが、

それでも構わないので続けて欲しいと頼み込んだ結果再びキスを再開してくれました。

そしてそのまま舌を入れられてしまい、私もそれを受け入れる形で受け入れてしまいました。

その結果、お互いにスイッチが入ったようで激しく求め合いました。

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