〜小さなぼくから〜 ②

父が受付を済ませている。

受付の女の人と隣にいるおじさんが目配せをしてゆっくりと立ち上がった。

近づいてくるおじさんは、黒縁眼鏡のまさに役所の人間といった風貌だ。

嘘で塗り固めた笑顔を作って“ぼく”の顔を覗き込みながら


「ちょっとしたテストをするだけだからね。すぐ終わるから大丈夫だよ」


と、言って顔に似合わない綺麗な歯を見せつけてくる。


―大丈夫ってどういう意味?―



結局低レベルの脳トレのような物を数問解いて、その建物には1時間程度の滞在で次の目的地に向かった。


長い夏がはじまる

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