[27]: フードの下の素顔と、震える声

悪党どもを騎士団に引き渡すようセシリアに指示し、俺は背後で震えている少女に向き直った。


俺「大丈夫か? もう追っ手は来ないぞ」


少女はゆっくりと顔を上げ、フードの奥から俺を見つめてくる。

その瞳は不安と恐怖で揺れていたが、どこか強い意志も感じられた。


少女「あ、あの…ありがとうございました…」

俺「どういたしまして。で、お前さん、名前は?」


少女は少し躊躇った後、小さな声で答えた。


少女「…ルナ、と申します」

俺「ルナか。いい名前だな。俺はリュートだ。よろしくな」


ルナと名乗った少女は、俺が差し出した手を恐る恐るといった感じで握り返してきた。

その手は小さく、そして冷たかった。


リリアーナ「ルナさん、と仰るのですね。私はリリアーナと申します。こちらはミリアさん」

ミリア「よ、よろしくお願いします、ルナさん!」

ルナ「あ…はい…」


突然現れた美女二人に、ルナは少し戸惑っているようだ。

まあ、無理もないか。こんな状況だし。


俺「それにしてもルナ、なんであんな奴らに追われてたんだ? 見るからに人相悪かったぞ」


俺の言葉に、ルナは再び俯いてしまった。

その肩が微かに震えている。


ルナ「わ、私は…ただ…」


何か言いにくい事情があるらしい。


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