[19]: 指パッチンでゴブリンキングも塵芥!

ゴブリンが出没するという村は、王都から馬車で半日ほどの距離にあった。

村に到着すると、村長らしき老人が涙ながらに助けを求めてきた。


村長「勇者様! どうか我々をお助けくだされ!」

俺「勇者じゃないけど、まあ任せとけって。で、ゴブリンはどこにいるんだ?」


案内された森の奥には、確かにゴブリンの集落があった。

ざっと見ても100匹は超えてるな。中にはちょっとデカい、ホブゴブリンみたいなやつも混じってる。


セシリア「数が多いな…! リュート、囲まれないように注意しろ!」

リリアーナ「リュート様…!」

ミリア「(ブルブル震えながら)りゅ、リュート様…お気をつけて…」


俺「はいはい、見てなって」


俺は集落の入り口に立ち、軽く右手を前に突き出す。


俺「まあ、こんなもんでいいだろ。『ファイアストーム』」


俺がそう呟くと、ゴブリンの集落全体が巨大な炎の嵐に包まれた。

数秒後、炎が消え去ると、そこには黒焦げになった大地と、いくつかの消し炭が残っているだけだった。


セシリア「…………は?」

リリアーナ「……………」

ミリア「(ポカーン)」


三人とも唖然としている。まあ、無理もないか。


すると、集落の奥から、ひときわ大きなゴブリンがノコノコと姿を現した。

体長3メートルはあろうかという巨体、手には巨大な棍棒。こいつがゴブリンキングか。


ゴブリンキング「グギャアアアアア!! 我ガ同胞ヲォォォ!! ユルサァァァン!!」


なんかめっちゃ怒ってるけど、もう部下全滅してるぞ。


俺「うるせえな。お前も同じところに行かせてやるよ」


俺はゴブリンキングに向かって指をパチンと鳴らした。

その瞬間、ゴブリンキングは体の内側から弾け飛ぶようにして、跡形もなく消滅した。

血の一滴すら残さずに。


俺「はい、お掃除完了っと」


振り返ると、三人はさらに口をあんぐり開けて固まっていた。

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