君と蝿

優しい木漏れ日がさす。

まだ昼を少し過ぎた辺りなのに、君は早くも晩御飯の話をしている。父の作るラーメンを食べるそうだ。それはどれほど美味しいのだろうか。

…実におかしくて、愛おしかった。


きっと、この愛しさを僕以外には理解できないだろう。君が誰かを求めなければ、誰にも。


どうか壊れないで、どうか壊さないで。

だけどどうか意識して、見つめて、見透かして、受け止めて、理解して、愛して。


いや、

何も僕は求めていないよ。君がいれば何も。



頭の中に蝿がいるんだ。


二人じゃない世界が憎いからって、いつも騒ぎ立てるんだ。でも、君がいれば、いつの間にかそんな音は聞こえなくなる。

不思議だね。


言えなかったんだ。

だって君がいれば大丈夫だ、君との世界があれば、潰す必要なんてなかったんだから。


君の声がする。暖かくて優しくて、正義に満ち溢れた君の声がする。


僕の名前を呼ぶ、君の声がする。

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