恋のダイヤル
私はそのあと
残りの1日はどう過ごしたのか
おぼえていない
突然の出会いに 少なからず
鼓動も騒がしく
上の空で1日を過ごした
友達が心配して
どうしたのか 聞いてきたけど
なんだか 言えなくて
秘密ができてしまった
家に戻ると父がでむかえた
母は身体が弱い
そのため 子供の世話は いつも
父がみていた
帰宅して
渡されたメモ書きを片手に
ぼーっとしていた
連絡してみようか
そしたら どうなるかな
‥からかわれただけかな
なんて 自問自答を繰り返し
でも
私に必死で伝えてくれた
あの真っ赤な顔が
めに浮かんだ
私は携帯電話を手にした
なんか変な感じがしたら
すぐ 切ればいい
そう自分に 言い聞かせながら
番号をいれる
かける
プー
プー
プー
3コール目で電話が通じた
もしもし?
なにも言わない
もう一度
もしもし
切ろうとしたとき
声が聞こえてきた
待ってたよ
かけてくれる
そう信じてた
私はなんだか 急にドキドキしてきて 心臓がくるしくなる
そこに追い打ち
一目見たとき
本気で惚れたんだ
ずっと視線をおくってたけど
気づかないから
声をかけた
俺は本気だよ
あ?
名前は?
俺は小坂健人
キミは?
私はどこかにあった迷いが
消えてゆくのを 感じてた
唯…
相川唯
どこに住んでる?
住所をいうと
急に電話が切れた
もしもし
もしもし
もう一度かけてみたが
もう電話にはでなかった
な
なんなの
やっぱり 冷やかし?
肩透かしをくって
ちょっと
いや、かなりがっかりしたのは
言うまでもない
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