第3話 自分だけ

 友人たちと山奥でキャンプを楽しんだ翌日、撮影した写真を見ていた女性は一枚の写真に目が留まった。

 そこには焚き火を囲む自分たちが笑顔で写っている。

 しかし写真の端、暗闇の中から伸びる無数の白い手が、仲間たちの足首を掴もうと這い寄っていた。


 そして彼女は気づいた。その手は自分以外の全員に絡みついているが、なぜか自分には伸びてきていないことを──。


 胸騒ぎを感じながらも、女性は他の写真を次々と確認した。

 写真が進むにつれ、白い手に掴まれた友人たちの笑顔が少しずつ消え、表情がこわばり始める。

 そして最後の写真では、全員が青ざめた顔でこちらを凝視していた。


「死ぬよ?」


 背後で友達の声がした。

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