第15話|焼きそばパンと、秘密の放課後

ちょっと懐かしい味と、忘れたくない気持ちを抱えた放課後の物語――



「今日は、放課後に……」


日向が言いかけて、ふと何かを思い出したように口を閉じた。

楓は不思議そうに振り返る。


「なに?」

「いや、なんでもない。今日は焼きそばパン、食べたくなっただけ」


放課後の少し寂しさを感じさせる空気の中、日向の顔はどこか少し遠くを見ている。

けれど、楓はそれを言葉にはせず、ただ台所に向かう準備をした。


---


今日のレシピ|焼きそばパン

材料(2人分)

* 焼きそば(ソース味) … 1パック

* 食パン(8枚切り) … 2枚

* ウインナー … 2本(お好みでベーコンでも可)

* レタス … 2枚(シャキッとしたもの)

* マヨネーズ … 適量

* かつおぶし … 少々(お好みで)

* 青のり … 少々(お好みで)


---


作り方

1. 焼きそばを作る

フライパンを熱し、ソース焼きそばを作る。

具材がしっかりと焼けて、ソースが絡んだら火を止める。


2. パンを焼く

食パンをフライパンで軽くトースト。表面が少しカリッとしてきたら取り出す。


3. 具をのせる

焼きそばをパンに乗せ、その上にウインナーをスライスして載せる。

レタスも軽く手でちぎって挟み、マヨネーズをかける。


4. 仕上げ

青のりやかつおぶしをかけて、出来上がり。ちょっと贅沢に、パンのフチも焼いておくとさらに美味しい。


---


「懐かしいね、これ」


日向が一口かじった後、ふと目を細めて言った。

楓も、焼きそばの香ばしい香りとともに、ひとくち頬張る。


「小さいころ、放課後にこんなのよく食べたな」

「ああ、私も。学校の近くのパン屋でよく買った」


お互いに小さな記憶がよみがえるように、少しだけ黙って食べ進める。

そして、また日向がぽつりと呟く。


「昔、これ食べながら、放課後の教室で話してたよね」

「うん……」


その一言が、楓の心を少しだけ揺らした。ふたりの間には、何かを共有している静かな空気が流れた。


---


味の感想(by 日向)

焼きそばとウインナー、レタスのシャキシャキ感。まるで放課後の午後そのまま、味が懐かしくて温かい。

ソースとマヨネーズのコンビが絶妙で、口の中でなんとも言えない安心感が広がる。


「昔食べた味が、今ここにあるってすごいことだよね。楓と一緒に食べると、さらに美味しく感じるよ」


---


放課後の一瞬、時間が戻るわけじゃないけれど、

それでも心の中には、あの頃の温かさがしっかりと残っている。


---


次回は「あんこもちと、遠くの未来」

甘いおもちに包まれた、ちょっとだけ遠くの二人の未来のかたち――


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る