第27話

「ヌーピー、よね?女の子にしか見えないけど」



「いやっ、あのっ、これは蓮さんが…っ」



「蓮に言われたの?」




こくこくと、涙目になりながらヌーピーが頷く。


…瞳ちゃん、説明されてないのによくヌーピーだって気付いたね…。


僕は最初、普通に女の子だと思ったよー。




「それより、なんで女装してるの?」



「ほら、アレだよ瞳ちゃん。生徒会企画の『男装女装コンテスト』の準備」




さらっと、ヨウ君が昴君にしたのと同じ内容の説明をする。


「へぇ」と相槌をうった彼女は。




「準備してくれてありがとう。ごめんね任せっきりで」




そう言って、手に持っていたナイロン袋をかさりと持ち上げた。




「あのね、理事長に外に連れ出されたからアイス買ってきたの。ちょっと休憩しない?」




…っ天使!!


瞳ちゃんが天使に見えるよ…っ!


ごめんほんとは僕ら全然頑張ってなかったんですー!!




「みんな謝って!全力で謝ってー!!」




僕の言葉に、みんな口々に「ごめんなさい」と謝罪する。


あの的場でさえ、素直に頭を下げている。


しかしヨウ君だけは、まだ懲りていないようで。




「えっ!?ちょっとみんなどうしたの!?」



「ごめんね瞳ちゃん。瞳ちゃんはそのままで充分だよ」



「待って陽平、充分って何が!?」




せっかく丸く収まりかけていたというのに、笑顔のままでキワドイ発言をする。

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