第27話
「ヌーピー、よね?女の子にしか見えないけど」
「いやっ、あのっ、これは蓮さんが…っ」
「蓮に言われたの?」
こくこくと、涙目になりながらヌーピーが頷く。
…瞳ちゃん、説明されてないのによくヌーピーだって気付いたね…。
僕は最初、普通に女の子だと思ったよー。
「それより、なんで女装してるの?」
「ほら、アレだよ瞳ちゃん。生徒会企画の『男装女装コンテスト』の準備」
さらっと、ヨウ君が昴君にしたのと同じ内容の説明をする。
「へぇ」と相槌をうった彼女は。
「準備してくれてありがとう。ごめんね任せっきりで」
そう言って、手に持っていたナイロン袋をかさりと持ち上げた。
「あのね、理事長に外に連れ出されたからアイス買ってきたの。ちょっと休憩しない?」
…っ天使!!
瞳ちゃんが天使に見えるよ…っ!
ごめんほんとは僕ら全然頑張ってなかったんですー!!
「みんな謝って!全力で謝ってー!!」
僕の言葉に、みんな口々に「ごめんなさい」と謝罪する。
あの的場でさえ、素直に頭を下げている。
しかしヨウ君だけは、まだ懲りていないようで。
「えっ!?ちょっとみんなどうしたの!?」
「ごめんね瞳ちゃん。瞳ちゃんはそのままで充分だよ」
「待って陽平、充分って何が!?」
せっかく丸く収まりかけていたというのに、笑顔のままでキワドイ発言をする。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます