第20話

「うっわ軽…っ!女子か!」



「わー!凄い高いー!」




同時に上がる綾と優斗の声。


やっぱり見た目通り、優斗は軽いらしい。


『女子か』って。


普段なら言い返しているはずの優斗も、今はテンションが上がってそれどころではないらしい。




「リョー君リョー君!ちょ、歩いて!適当に歩いて!」



「あーもーウッセー!頭の上でキャーキャー言うな!」




そんなことを言いつつも、お願い通りに歩いてあげる綾。


まるでお父さんと子どもみたいだ。


普通に親子みたいだ。




「瞳ちゃん見てー!」



「うん、よかったわね」



「瞳ちゃんにそんな上目遣いで見られるの初めてだよー!」



「うん、そうね」




孫を見てるおばあちゃんの気分だ。


元気でなにより。




「つうか、あんだけデカけりゃ上目遣いになんの嬢だけじゃねぇよな~」



「まぁそうよね。綾の肩に乗ってるんだから…」



「2mは軽く超えてるじゃねぇの」




みんなを見下ろせるのが楽しいのか、今度は昴と陽平に近付くように綾にお願いする優斗。


なんだろう、奏に肩車された時の花音のリアクションとかぶる…。

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