第4話
尤もな意見を口にしたはずなのに。
「陽平が素直に教えるワケねーだろ」
「探した方が安全だし早いと思うよー」
「嬢はまだまだ甘いねぇ」
問題児3人に、そう切り返されてしまった。
いくら陽平でもそんなことないでしょ?という意味を込めて陽平を見る。
すると彼は柔らく頬笑んだ後。
「条件次第で教えてあげるよ?瞳ちゃん」
なんとも物騒なことをさらりと言い放った。
『条件次第』って。
絶対まともな条件出す気無いでしょ?
絶対変な注文つけてくるでしょ?
その笑みが胡散臭いを通り越してすでに怖いんですけど。
「…いや、うん。いいわ、やめとく」
優斗の言葉通り自分で探した方が安全だと思うし、とは言わなかった。
そんな私の言葉に、陽平は余裕気な態度で「それは残念」だなんて言ってのける。
なんとも言えなくなってしまって、苦し紛れにテーブルの上に置いてあったキャンディーの包みに手を伸ばした。
袋を開けて、白桃味のキャンディーを口に含む。
淡い甘さにほっと息を吐いたのも束の間。
「っし、じゃー探しに行くか」
「うんー。見つかったら僕たちも裏ルート使えるしねー!」
「知っておいたら便利だしな~」
問題児たちの中ではもうルート探索が決定したらしく、意気揚々とソファーから立ち上がる。
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