第5章:闇に消えた光
にわかには信じがたい告白だった。しかし、鬼気迫る語り口には、それを信じさせるだけの説得力があった。
僕はあの日からも、観測を欠かさなかった。
ある夜、異変が起きた。
あの不穏な光――ネルヴァスが、突如として空から姿を消していた。
まるで何もなかったかのように、夜空は静かに沈黙し、どこを探しても“それ”の気配は見当たらなかった。
「……よかった!」
僕は安堵と興奮の入り混じった気持ちで、急いで老人に報せに行った。だが、天文台の居室に彼の姿はなかった。
机の上には、一枚の書き置きだけが残されていた。
「私は還る。この星を巻き込むわけにはいかない。奴らは、すでに私を見つけている。君は、これ以上、星に触れてはならない」
それきり、彼は戻ってこなかった。
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