エピローグ

ー…

 もう声を聞く事はないと思っていたから。

 久しぶりに聞く受話器から聞こえる声は少しぎこちなさそうで、でも充実していそうだった。

 意気地が無いまま会うのが怖くて、長い時が経ってしまった事を詫びるが、そんなことはどうでもいい。

 生きていてくれた事、それだけで胸がいっぱいになる。

 お互い別々の道を歩き、交わる事のない人生を歩む。

 あの時の思い出は一生の宝物。

 いつかまた会える事を信じて、電話を切った。

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KANEKO5 ゆかな @Kana2023

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