第46話「ガチャガチャコーナーは最高だ」
ガチャガチャコーナーは、私にとって遊園地より危険な場所だ。視界にカプセルが並んだ瞬間、テンションが爆上げになる。あの小さな丸いカプセルに、夢と混沌と「なぜそれを選んだ?」という謎センスが詰まっているのだから。
最近は昔流行ったアニメやゲームが再びラインナップされていて、心をわし掴みにしてくる。ある日見つけたのはピングー。「ピングー!?まだ現役で回せるの!?」と声が出る。しかしその隣に、さらに衝撃の存在が、仮面ライダー電王。
「いや、マジか。電王やん……!」
私の脳内に、あの「俺、参上!」の声が響いた。しかも今回のシリーズは「待ちぼうけ電王」。いや、待ちぼうけって何!?そんなシーンを思いつくのか!?これ考えた人、ぜひ名乗り出てください。拝ませてください。そんな突っ込みを抱えながら、私はカプセルマシンの前に立ち尽くす。もちろん回す。止まれない。
結果はモモタロス以外。
一番好きなモモタロス。
あんだけ愛を叫んだのに。ガチャ神は恋愛ベタか。
気を取り直して発見したのは「赤ずきんチャチャ」。懐かしさが胸を突き刺す。私はポピィくん一択。絶対ポピィくん。……しかし当たったのは別キャラ。どうして私のカプセルの中には推しが入っていないのか。カプセルの中身と恋愛運は似ている。狙うほどに外れる。
いや、他のキャラも好きだけど。
さらに「ゲームパッケージミニチュアチャーム」が私を呼んでいた。サルゲッチュ!あの猿を捕まえるネットの形がもう尊い。絶対欲しい。ガチャを回す。ゴルフゲームが出る。なぜだ、私の指先よ。なぜそこを引いた。運命の采配がスポーツ推薦なのは理解した。
そして極めつけは「豆ガチャ本」。本当に豆粒サイズで漫画が印刷されているという狂気の発明品だ。私はヒロアカ狙いで挑む。期待を込めて開けたカプセルの中に入っていたのは
「逃げ上手の若君」
知らん!!いや、読んだことがない!!と一瞬落胆するも、その日の夜、せっかくだからとアニメを観てみた。……結果、どハマり。気づけば全話を観ていた。
そう、ガチャガチャとは「外れたと思ったら当たりだった」という人生の縮図なのだ。財布は軽くなる。部屋はカプセルで埋まる。推しは出ない。だが、知らなかった扉が勝手に開き、人生の棚には新しい作品が並ぶ。
結論:ガチャは運試しではなく、人生のネタ補充機。
回すたびに沼は深く、そして今日も私は財布を握りしめ、また新しいカプセルの前に立っている。
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