第9話 悪魔のAI千鶴登場!!そして大活躍(?)

 ここは――小舟東病院。

その玄関に、颯爽と現れたのはまどか💛。

タイトなスーツにミニスカート。派手なイヤリングに、完璧なメイク。

周囲の視線を一手に集めながら、ヒールを鳴らして受付へ。


まどか💛「なべちゃんいる?」


ネイルを眺めながら、軽く口にする。


受付職員「……なべちゃん?」


まどか💛「そうよ、事務長の“なべちゃん”。」


受付嬢の脳裏には、真っ先に“行きつけのキャバクラ嬢か?”という疑念がよぎる。

確認すると、事務長の名は――渡辺義道。


受付「失礼ですが……お名前を。」


まどか💛「この病院の“専属愛人”、まどかって言えばわかるわよ。」


――衝撃。


受付嬢があたふたと電話をかけるが、タイミングよく本人が現れる。


渡辺事務長「ああっ! まどかちゃーん💛 どうしたの〜!?

今日はレンタルの予定入ってなかったのに〜💛」


目がハートになった事務長が両手を広げる。

まどか💛は笑顔でその腕に飛び込み、ハグを返す。


まどか💛「久しぶり〜。なべちゃん、いつもありがと💛」


そして、ぴたりと距離をとると――

スーツの襟元の弁護士バッジをちらり。


まどか💛「でも今日は“こっち”のお仕事で来たの。

顧問弁護士として、火の粉は払わなきゃね?」


にっこりと笑うその目は、氷のように冷たい。


渡辺事務長「……なるほど。例の藤川さんの件だね。」


まどか💛「ええ。小松院長から話は聞いたわ。」


周囲の職員がざわつく中、事務長は声を張る。


渡辺事務長「皆さん持ち場に戻ってください。

これから顧問弁護士と、重要な打ち合わせがある。」


――そして、まどかは事務長室へ。


革張りのソファに座ると、すぐに秘書が茶を運ぶ。

だが、世間話は数秒で終わり、まどか💛は鋭く切り込む。


まどか💛「虐待の件――聞いたわ。

病室に設置されてる“監視カメラ”の映像。

見せてもらえる?」


渡辺事務長「それは……院長命令で、個人情報の関係で……」


その瞬間――

まどかは立ち上がり、事務長の耳元で甘く囁いた。


まどか💛「今度のレンタル、サービスつけてあげるわ💛

……特別な“やつ”も。」


渡辺事務長の顔が、急激に赤くなる。


さらに――


まどか💛「それと、これ――」


バッグから取り出したのは、おなじみの“鳩サブレー”。


まどか💛「愛情たっぷり。まどか💛印よ💛」


――開封した瞬間、渡辺事務長の顔が緩む。


渡辺「まったく、君って女は……」


ふたりは連れ立って、監視室へと向かった。


監視室――

まどか💛と事務長は、モニターの前に並んで座った。


再生される映像には――


看護師「うるせーぞ!!毎回毎回面倒かけやがって藤川!!

ちゃんと立てコラ!!」


腕をつねられた藤川勝己が激昂、看護師に殴りかかる。


医師「相変わらず不安定ですね。

ブロマゼパム、4mgから8mgに増量しましょう。」


まどか💛「……ずいぶん派手な追い出し方してるわね。」


映っている職員の名を確認する。


まどか💛「この医師と看護師……東山浩一と田山成一、ね?」


事務長が頷く。


まどか💛は、にっこり微笑むと、USBメモリを取り出した。


まどか💛「じゃあ――“千鶴”の出番ね💛」


USBを差し込み、AI編集プログラムを起動。


まどか💛「この子、私が育てたの。

指示通りに“都合よく編集”してくれるのよ。」


――しばらくして、映像は差し替えられていた。


東山「大丈夫ですか?藤川さん、立てますか?」


藤川「……ニコッ……」


田山「薬、増やさなくても大丈夫そうですね。」


モニターの映像は、穏やかな医療風景へと塗り替えられていた。


渡辺事務長「……これは……」


まどか💛「ふふっ。“真実”は、常に一つじゃないのよ。

これで、決定的な証拠もなくなったわね。」


事務長は苦笑いしながら呟く。


渡辺「さすが、無敗のリーガルモンスターガール……」


まどか💛「“モンスター”は余計。ね?」


ウィンクと共に、魔性の微笑みを浮かべるまどか💛。


事務長「この後、食事でも……どう?」


まどか💛「それは、“レンタル彼女”としての依頼ってことでいいかしら?」


渡辺「もちろん。……サービスつけるよ。」


まどか💛「うふふ💛ありがとう。どこに連れてってくれるの?楽しみ〜」


事務長の腕に絡みつき、笑顔を浮かべるまどか💛。


だが――その瞳は、どこか遠くを見ていた。


まどか💛(ふふっ……これで、“証拠”は消えたわ。

楽しみね、恭二……)


まどか💛と渡辺事務長は、タクシーに乗り込み――

麻布十番の夜の街へと、消えていった。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る