除霊士始めました!お礼は如何程で?それならお気持ちで!

レイスフィー

第1話 除霊士

徐霊とは、この世に未練を残してしまった霊を成仏させて霊とその場所を解放することをいう。

徐霊に必要なのは才能と血のみである。

この少女は貴族でありながらもその才能と呼べる変わった能力を持っていた。

私の名前は、神楽坂 巫女兎(かぐらざか みこと)

貴族が通う高校に進学し今まさに通っている。

神楽坂の家系は代々徐霊士の巫女を世に産み出していた。

私もその一人で将来は徐霊士の巫女となるべく精進をしている。

私のおばあちゃんはすごい巫女だったらしく沢山の霊を徐霊してきたのだという。

私も早くおばあちゃんみたいにすごい徐霊士の巫女になりたいと思っていた。

徐霊士は政治的にも活躍をしていて将来の政治活動を占う占い師の血も混じっていた。

そのためおばあちゃんはいつも政治家の人にひっぱりだこだった。

私にも占いの才能があるのかわからないけど今は自分の能力を磨いていかないといけない。

私の能力はまだ秘密……。

だってまだ成功するかどうか五分五分なんですもの

霊は普通に見えるけどこちらからさわらなければなにもしてこない。

悪霊は別だけどね

地縛霊はいつもよく見ている

キーンコーン

カーンコーン

いっけない遅刻しちゃうわ

私は校門まで全力で走った。

「いけませんねぇ貴族たる女子がはしたない」

こう仰るのはいつも風紀をなんたるかとくどくどいってくるメガネザーマスの先生だ

「ふんふうのふふふんぬ」

私は食パンをかじりながら来ていたので

思ったより上手くしゃべれない。

「まあ!はしたない!食べ物を口にしたまま走ってくるなんて」

「お宅ではどういう躾やご作法をしているのかしら」

とまたくどくどが始まった。

私の家は確かに貴族でとても有名な家ではあるけど

別に貴族とらしさとかそんなの求めていない

そんな余裕があるのならひとりでも多くの徐霊をしたり占いをしなさいと言われているのだ。

私はくどくど先生の話を途中で切り離しさっさと校舎へと入った。

「あーみこっちゃ~ん」

「馴れ馴れしい女子生徒が抱きついてきた。」

「ふふふんぬのふふんの!」

私が抱きつくなって言おうとしてもまともな言葉にならなかった

「なにいってるかわからないからさっさとその口のもの食べたら?」

と冷めた顔でいってくる女子生徒

彼女らは私の同級生で友達だ。

よく一緒に帰ったりしている

「抱きつくな~」

「いいじゃない~減るもんじゃないし」

「減るわよ、擦り減っちゃうから」

「またまた~」

この冗談ぽく馴れ馴れしいのは

春先 沙愛弥(はるさき さあや)

いつもすぐに抱きついてきて甘えてくる。

「早く行かないと授業に遅れるわよ」

この冷たそうな子は

冬真 微美(とうま そよみ)

冷たそうにしているけど面倒見はいい

よく私らにつるんで遊んだりしていた。

「またメガネザマスに絡まれてたね。」

「いつも私をまっているかのごとく待ち構えているのよ」

「きっと私に毎日小言を言わないと気が済まないのよ」

「そうかもね~私らにはたいして絡んでこないし」

「目の敵にされてるのね」

「こんなに可愛くてお金持ちでお母さんもおばあちゃんも政治家に引っ張りだこの占い師ときたらねぇ」

「私には占いの力はまだないから妬まれてもねぇ」

「徐霊士の能力はあるんしょ?」

「うんあるにはあるんだけど」

「まだお仕事するには早いっておばあちゃんに言われててね」

ほんとはやりたいのよぉ

私は拳を握りしめてやりたい気持ちを訴えた。

「まあおばあちゃんがダメだって言うならね」

でもこっそり営業活動もしてたりして

「今日終わったらどこかのカフェいかない?」

「うーーん、私はちょっと用事が…。」

「おやおや彼氏かなぁ?」

「そんなのいないから」

この貴族学園は女子高で男子禁制である。

「そもそもこの学校じゃ縁はないでしょ?」

「まあね」

「じゃあそよちゃんとカフェいくか」

「わたしも帰ってお勉強する」

「えー付き合い悪いなぁ」

「さーやも勉強しないと単位とれないわよ」

「へーい、みこちゃんに教えてもらうからいーもん」

「え?わたし?」

「みこっちゃんも成績いいじゃん」

「まあ、とらないとお母さんがうるさしいね」

「それで成績いいってどんな頭してんの」

「その血を私にもわけてぇえ」

とさーやが泣きながら訴えてきた。

「まあ勉強くらいなら教えてあげるから泣かないの」

「やったー!」

「ただ、今日はちょと用事があるからまた明日ね」

「はーい」

「ところで用事ってなんなの?」

「うーんちょと…ね」

「あやしい…」

さーやが怪しんでる顔で見てきた

「ちょこっとさ、徐霊の仕事受けようと思って」

「あはは…。」

「だまってやってんの?」

「うん」

「内緒だよ?」

「わかったけど危ないくないの?」

「んー難しそうだったら断ろうかと」

「そっか~」

「まあ、まだ受けた訳じゃないから」

「じゃあしょうがないよね」

「明日はカフェ行こうね!」

「うん」

私はカフェの約束をしてこの場をしのいだ

そして授業が終わり友達と別れ

私はひそかに営業活動をしていた場所に来た。

掲示板を利用するなんて誰も思わないだろうと

まあ依頼が来るかどうかもわからないんだけどね

と私はひそかに募集していた掲示板を覗いてみた

求む!地縛霊や霊の被害

私が徐霊いたします。

と書かれたビラの下に書き込みがあった。

お話があります○○までお越しください

と書いてあった。

うーん場所のみの指定かぁ…

まあちょっと怖いけどいってみよう

私は指定された場所に向かうことにした。

お、ここかな指定の場所は

私は指定の場所についた

それはどこかのお店だった。

「すみませーん」

私はお店に入り声をかけてみた

「はーい」

「あの~徐霊の依頼で来たんですが」

「あ、徐霊士の方ですか?」

「はい!」

「話は中でしようと思うのでまずは中へお上がりください」

私はお店の中へ入っていった

ここは何屋さんかな?

聞いてみると果物を売っているお店らしい

「まずはお話なんですが」

「私の娘が一月前に交通事故で亡くなりました。」

「それでつい最近なんですが事故現場で地縛霊のようなものをみたと聞きました。」

「それでもしかしたら私の娘なのかもしれないと」

「なるほどそれで確認をしてほしいと」

「はい、それでもし私の娘であれば徐霊をしていただきたいと思いまして。」

「わかりました」

「ますは確認をして、もし娘さんであればまた報告にうかがいますね」

「はい、おねがいします」

「これが娘の写真です」

娘さんはまだ小学生3年生くらいの女の子だった。

まだ小さいのに…

私はお店をでて事故現場までやってきた。

何か霊的なものを感じる

私は膝をついて祈りを捧げるような姿勢で集中して声をかけた。

ここで亡くなった雛之ちゃん何か訴えたいことこの世に未練があればおいでください。

ふうっと姿が現れ10才くらいの女の子が現れた

どうやら成功ね

あなたはここで交通事故にあって亡くなったの?

「私にはわからないの」

「ただここで死んだことは間違いないんだけど」

「どうして私はここにいるの?」

「ママは?」

「お母さんはおうちにいます」

「あなたはここで亡くなり未練があるのか地縛霊となってここに縛られてるの」

「わたしはどうしたらいいの?」

「あなたはどうしたいの?」

「ママに会いたい」

「じゃあ私があなたをママに会わせてあげる」

「ほんと?」

「うん」

私の隠れた能力のひとつに霊を憑依させ実体化させるという異能があった。

私の中に憑依させし御霊をここに

そして実態を体現させたまえ!

わたしは女の子の霊を自分に憑依させ

実態を女の子の姿にさせることに成功した。

「これが、わたし?」

(うん、あまり長い時間は無理だけどこれならママに会うことも話すこともできるはずよ)

「ありがとう、おねえちゃん」

私に憑依した女の子は家まで歩きだした。

家についた女の子は戸惑っているのかなかなか家に入ることができなかった。

(どうしたの?)

「ママは私のこと覚えててくれてるかな?」

(大丈夫よあなたのママはちゃんとおぼえているし会いたいと思っているはずよ)

「わかった」

女の子は勇気を振り絞って家に入ることにした。

「ママ!」

「ひ、雛之!?」

「ママー!!」

女の子は泣きながらお母さんに抱きついた。

「ど、どうしてあなたが」

「ううん、そんなことよりも」

「おかえり!雛之」

「ただいま」

女の子のお母さんは泣きながら娘を迎え入れた。

「おねえちゃんがママに会えるようにしてくれたの」

「あの徐霊士さんが?」

「うん、でもあまり時間がないって」

「ママはずっとあなたのそばにいるから」

「雛之もずっとずっとママのそばにいるから!!」

しばらく抱き締めあいながら時間が経ち

体現する時間がすぎたころ姿がもとに戻った。

「あ、徐霊士さん…」

「ごめんなさい、あの子がママに会いたいって」

「それがあの子をあそこに結びつけている要因なのかなって思いまして」

「それであの子が…」

「ありがとう、最後にあの子にあえてあの子にお別れがいえてわたしも気持ちに踏ん切りがついたのかもしれません」

「ほんとにありがとうございました」

「いえ、わたしにも何かできることがあってよかったです」

「あの、お代の方は…」

「お気持ちで!いいですので」

「ありがとうございます」

こうしてひとつの徐霊が終わるのであった。

私は仕事が終わったので家に帰ることにした

帰り道何か霊的なものを感じ取った私は

「だれ?」

「わたし」

後ろをみるとさっきの女の子だった

「あれ、どうしたの?」

「もしかしてまだ未練とかそゆのが」

「ううん、違うの」

「おねえちゃんにはほんとに感謝してるしうれしかったのママに会えたのが」

「それで地縛霊?にはなってないんだけどまだやり残したことがあるみたい」

「それって?」

「たぶんおねえちゃんにお返しができてないkとなんだと思うの」

「わたしに?」

「うんだからしばらくおねえちゃんのお手伝いをさせてほしいと思って」

「徐霊?をしているんだよね?」

「そうよ」

「だからそのお手伝いさせてほしい」

「うーんといっても何してもらえばいいんだろう?」

「その霊のかたとお話もできるし困っている霊の人も見つけることができると思うの」

「なるほど掲示板いらずで修行のための仕事ができるかもしれないわね」

「わかったわ」

「あなたは今日から私の助手ね」

「うん!よろしくおねえちゃん」

「私は、神楽坂 巫女兎っていうの」

「私は朝桐 雛之よろしくね」

こうして私はあたらしい助手と共に徐霊の修行をするのであった。

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