慧君の、とある一日

第1話





俺の一日は、ミルクをたっぷりかけたシリアルで始まる。



「いっただっきまっす!」



テーブルに用意されたスプーンでそれを掬って一口食べれば、口いっぱいに広がる甘さ。


シュガー多目の、このシリアルが大好きな俺は



「……あぁ、幸せ……」



今日も幸せだ。


イチゴにブルーベリー、ラズベリーのフルーツをトッピングして完璧。



これで、今日も一日ハッピーに過ごせると思っていたのに……



夕方、家に戻ってリビングで皆と談笑していれば



「───おい」



「はい?」



なぜか、仁王立ちで俺を睨みつけてくる我が弟。



───俺、魁君に何かしたっけ?



急に睨まれても、意味が分からなくて首を傾げる。

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