慧君の、とある一日
第1話
◇
俺の一日は、ミルクをたっぷりかけたシリアルで始まる。
「いっただっきまっす!」
テーブルに用意されたスプーンでそれを掬って一口食べれば、口いっぱいに広がる甘さ。
シュガー多目の、このシリアルが大好きな俺は
「……あぁ、幸せ……」
今日も幸せだ。
イチゴにブルーベリー、ラズベリーのフルーツをトッピングして完璧。
これで、今日も一日ハッピーに過ごせると思っていたのに……
夕方、家に戻ってリビングで皆と談笑していれば
「───おい」
「はい?」
なぜか、仁王立ちで俺を睨みつけてくる我が弟。
───俺、魁君に何かしたっけ?
急に睨まれても、意味が分からなくて首を傾げる。
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