第3話 急性アルコール中毒になった話、胃洗浄・冥途(めいど)が淵
「睡眠麻痺・ナルコプシー」というのがございます。
世間でいうところの「金縛り」
REM睡眠で体は寝ているのに頭は起きているという状態
だいたい覚醒夢・はっきりと自覚している夢・幻覚を伴うといわれています
今日はそんなお話
わたくし大阪の豊中市の寮に二十年前に住んでおりまして、賄いつき、風呂つき
駐車場つきと設備はけっこう整っておりました。
その二階、北向きの窓から駐車場と玄関ホールが見えます。季節は二月
夜勤あけでうつらうつらしておりました。
と申しますのも前日の晩、テキーラをショットで三杯きゅっとやってましたから
二日酔いも重なっております。
辛い辛い
ベッドに横になっていると急に金縛りが…
体は動かせません。
でも目は動く。ふと感じます。
ベッドの横、足元から右45度の所になにか「いる」気配がする。
これはそう思ったのだから仕方ない。
黒い頭巾をかぶったねずみ男のようなもの、顔は隠れ座頭のようなものが立っている
その気配がする。
焦りはしますが別にそこにいるだけですから…怖くはなかった。
そして金縛りは解け本格的に目が醒めた。
伸びをして深呼吸…ああやはりさっきのは夢、深酒がたたったかと安堵し
さてさて二度寝をしようと床に入った途端
肩甲骨のあたりを強く押された!
ベッドの下から!
そいつの気配が「するすると」一階に消えていくのかわかります。
「夢じゃねぇんだぞ!」
そういわれた気がした。
その前日の帰りがけ
普段人通りのない帰り道に
五、六人、
もの凄く顔色の悪い、青色のメイクの映画のゾンビの男女とすれ違った。
ように感じた。
それを急に今、思い出した。
人間死にかけると、異界の連中がどこからともなく集まってくるといいます。
もしかしたらわたくし
急性アルコール中毒でその時、死にかけていたのかもしれません。
会社の寮に帰れたのも奇跡
床について落ち着けたのも奇跡
金縛りの悪夢を見たのも奇跡…
あいつ…もしかして死神だったのか…
そしたら急に気持ち悪くなって…おぇぇぇ
人生で初めて救急車を呼びました。
「胃洗浄・冥途(めいど)が淵」というお話でございました。
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