《浅野駅》
二人と一体を運ぶ列車の線路は、高架から地面へと様変わりした。国道から《
降りてみると鉄塔や四角形の建物が目立ち、工業地帯に突入したと思わせる景観が広がっている。踏切を渡る大型トラックを何台か見送りつつ、
「おいポッター、あっちは何だ?」
そう言って指差した先には、3番・4番線ホームがあった。二人が降りてきた1番・2番ホームと違って雨を
「ああ、そっちは《
それを聞いた
「なんか……あの先にも駅あるって、ワクワクするんだが!」
「その感覚分かるけど、終点は私有地だから降りたら不法侵入になるよ」
「一般人お断りとか、ますますワクワクするんだが!」
どこまで続いているのか気になって仕方ない
【
「なんか一気に工業団地って感じする。ここら辺って人住んでんの?」
【駅から少し離れますが、暮らしている方はいらっしゃいますよ。貨物運送用の産業道路、海へ続く
「うんがってなんだ⁉︎ 絶対、うん「人工水路の事を
「やっぱ、うんこ流すとこか!」
【駅から少し歩いた先に《
「今度は駅じゃなくて、公園なんだな〜」
【そうですね《
若者達が軽く会話している間に、
「タイムスリップの次は、異世界転移か?」
「鶴見から、ここまで3kmくらいだよ。つまり俺らは、山手線の新大久保から目白くらいの距離しか移動してないって事」
「絶妙に場所分かんねえ駅と駅で例えんなって。やっぱお前、電車大好きだろ」
国道駅の時と似たやり取りを挟みながら、公園の中に入った。そこは物流センター並みに広く、テニスコートや野球場、ドッグランの他に
焦げ猫の案内に従って向かった先は、樹木に囲まれた芝生が伸び伸びとしている自由広場。土曜日の昼前もあって、家族連れの姿が目立つ。
「おぉ〜! 超、寝心地良さそうじゃん」
長距離移動はしていないが、疲れを癒す様に
「こういう公園来るの久々だな〜、ポッターもそうだろ?」
「そうだね。普段、寄ろうとも思わないし」
リュックを地面に置いた
【ワタシは日常タスクの照合を行いますね】
リュックから顔を出した焦げ猫は、ヒョイと芝生に着地した。瞳のディスプレイに景色を取り込み、位置情報をインプットデータと同期させていく。確認範囲が広いため歩き回るものの、怪我を抱えたような足取りは若者二人の視線を集める。
「なんか見てるだけで心が痛むぞ……」
「あれだけ
「マジで、AIペットに見えねえ。ミゥといえば——ほら、あれだろ!」
身体を起こした
「幼稚園とか学校で見るのは機械っぽくて、地域のはぬいぐるみタイプだよな〜」
「ICT教育も含めて、子供向けミゥはロボットの作りだからね」
「なんだよその、アイシーテーって。恋愛脳か?」
「
なにそれ知らない。という顔の
「そういやポッターは、校庭でもタブレット端末いじってたよなあ」
「メガネってだけで魔法使いポッターとか、男子集団に混じって俺に圧力かけてたよね」
「オレに悪気はなかったんだよ! なんつうか、こう……バカ騒ぎって人の心無くすっつうか!」
「別に気にしてないよ。あれは担任の先生が、あだ名と名前呼び容認してたのが悪いし」
どうでも良さげな態度で話す
「すみません、ありがとうございます!」
感謝を受け取った
「……」
それを無言で見つめる
崩れない一瞬が目の前で動き出しているのに、少年二人は
【おまたせしました】
そこに、日常タスクの照合を終えた焦げ猫が戻ってきた。
【残念ながら《
またしてもハズレ。だが一日かけて探し回るつもりでいた二人は、特に問題ない顔で立ち上がる。まず先に動いたのは
「じゃあ次いくか、次〜!」
スマホだけを見るように、発車時間を調べる
【お手を
「問題ないよ。俺ら、
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