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第15話

”まったくっ!”

そっちこそ授業集中しなよって強がって。

移動教室のフリー座席。


お互いもう当たり前になった君の隣で。

しあわせだなぁなんて。

隣から感じる存在に嬉しくて。

1度筆箱忘れたからって貸したシャーペンを毎回ねだる君にまったくしょーがないなぁなんて。



《渡す指先が触れて揺れた心、必死に隠した。》



渡り響く呪文。

交互に使われる一つの消しゴムが愛おしい。


ふと隣のノートを盗みみて誤字を見つけて。

可愛いやつなんて思う。


君がノートに視線をうつして教師が黒板に向きあった瞬間を見計らって誤字をシャーペンでつついてやる。

目線をあげて君をみれば恥ずかしそうにするから

可愛くてからかいたくて。


くちはしを釣り上げニヒルに表情だけで笑って

ノート端に”バーカ”って書いてみた。


これが終わったらどんな反応してくれるのかなってどこか期待して。

きっとごうれいが終わったらすぐバカじゃねぇって騒ぐんだろうな。

…なんて想像して。


そしたら、またからかってやるんだ。

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