文明が崩壊した世界では、ダンジョンクリアで神様から王権が貰えるけど俺はそれより神を超えたい~第三次世界大戦は神の怒りで終了し人類はこん棒と意志で闘うようです~
第7話 たとえ不完全でも推論はあった方がいい
第7話 たとえ不完全でも推論はあった方がいい
「―なんか恵んでくれよ?痛い目にあいたくはないだろ?」
話しかけて、というよりは威圧し恐喝してくる仮称大学生たちに俺なりの威圧を返す
「非常事態なのはお互い様だろ?見ず知らずのやつに分けるものはないなぁ。特に頼み方も知らないガキにはな。多分だけどお前ら、避難所に行ってもねぇえだろ。今日動いてるってのはそういうことなんじゃねぇの?」
「はっ!威勢のいいおっさんだな。こっちは3人いるんだぜ?ゴルフクラブってのもおっさんくせえな。変なもん着込んでるし、それで自衛のつもりか?こっちが丁寧に頼んでるうちに出すもん出した方がいいと思うぜ?」
うーん。お話だけでは引いてくれないか。俺は普通の見た目だからなぁ。ただ、口は悪いが多分そこまで荒事慣れてないだろお前ら。
角材なんてどっから持ってきた?まさかもうホームセンターにめぼしいもの無くなってるのか?いや角材なんて真っ先に持ってかれそうな気もするんだが。
あぁ、そう言えば近くで小屋建てようとしてる家があったっけか。せめて軍手くらいしとけよ。布巻くとかさ。それで殴ったら多分お前らの手も相当痛いぞ?
「それじゃあこっちが君たちの戦意を貰おうかな。おーい、海斗!変なお客さんがいらっしゃったんだけど手空いてるかー?」
「大丈夫ですよー、今行きますー」
家の中から声がする。相変わらずのんびりしてるな。ま、あとから出てくるように指示したのは俺なんだけど。
それにしても少し心配してくれても良くない?俺、強がってるけど結構怖いんだぜ?
「なんだよ一人じゃねぇのかよ。まぁでもおっさん二人なら……あ……」
「えーっと、君たちがお客さんかな?残念だけど今は営業してないんだよね。だからお帰り頂けると助かるんだけど?」
何処にでもいそうな普通のおっさん。そしておっさんが呼んだ優しそうな声の男。ここまでなら強がれたんだろうが……
出てきたのは想像を超える大男。着込んでいても分かる筋肉の鎧。
どう考えても戦力差は歴然である。手に持ってる釘バットも凶悪さを増している。
「あ、その、すいません。家間違えてました。そ、それじゃ、その、失礼します!!」
脱兎のごとく仮称大学生は逃げ出していってくれた。追う必要は全くないな。こっちはまだまだ準備が沢山あるんだ。
――その後、もう一組似たような来客があったが守護神海斗君の登場だけで撃退可能だった。
「僕。守護神じゃなくて中継ぎなんだけどね。守備位置もセカンドだし。自分では地味な方だと思うんだけど、怖がれるとちょっとショックかも」
お前は地味じゃないぞー。顔はイケメンで迫力はないけど地味ではないぞ?
なによりその筋肉の塊に挑める気概の有る奴はまだ住宅街来ないと思うよ。
普通は逃げるって。どこまで、その普通が通用するかは俺にも未知数だけどな。
そこまで嫌な世界にはなってないことを、今は祈るしかないのだけれど。
――――――――◇◇―――――――――――――――――
「で?なんで今日に限って来客が多いのかしら?思い当たる節でもあったの?」
「ああ。それはな。人の行動ってのはある程度予測が出来ると思うんだ。個人は難しいが集団なら多少はな。ま、確証はなかったが。」
俺の推察、多分に妄想も入ってるとは思うが。俺はもう少し先の予測までを共有すべく話を続ける
「まず個人や少数で行動してるやつら。俺たちもここに含まれる。これは色んなパターンが想定されるから後にするとして。
大勢で行動する人達。主に避難所にいるであろう人たちだが。この人たちは一週間くらいは避難所で待機すると思ってる。勿論、避難所ごとに備蓄されてる物資や集まる人数にばらつきがあるから何とも言えんがな。小規模の避難所や公共施設等では少なくとも3日分くらいの備蓄はあるはずだ。それに各人が持ち寄るものなんかもあるだろ?節約すれば一週間くらいは耐えられるはずだ。だた、その先は厳しい。救助があるなら話は別だが。
なにしろタイミングが絶望的に悪い。戦争なんていう今まではあまり考える必要が無かった自体が起こったタイミングだ、本来は災害救助などで活躍自衛隊も派兵されていたりその準備だったりに追われていただろう。通常より対応は遅れていたはずだ。そこに持ってきて異変だからな。正直、救助は無い前提で動いた方が良いと思ってる。避難所の人々も疑問を持ち始めるだろうな
そのタイミングが凡そ一週間と見てる。物資等の物理的にも、精神的にも、だ。ここまではいいか?」
「そういえば病院に勤めていた子が言ってましたね。災害用に3日分の水や非常食が必要なんだって。私が働いてた整形みたいに入院してる人がいない場合だとそこまでは準備してなかったかもですけど。ごめんなさい、そういう事務的なことは私だとはっきり分かんないですけど。でも心理的には確かにそうかも?4~5日目から不安が蔓延してきて、一週間、救助も何もないとなれば普通の感覚でも疑問を持ちます。今までとは何か違う、って」
「追加の情報ありがとう雫。みんなも思ったことは言ってくれよな。予測を立てておくことは必要だ。無駄かもしれないが無策よりはマシだからな。
まぁ集団が大きければ大きいほど疑問や不安が広がってもいざ行動するとなると意思統一にそこから数日かかると見てる。物資が少なめのところでも動き出す最短は一週間くらいじゃないか?それで個人や少数の方だが。
こっちはそれこそ集団によって事情が大きく違うから予測は難しい。俺ほど備蓄してるやつは相当少数派だろうしな。一カ月待てるやつはほぼいないだろう」
「物資に関しては、でしょうねとしか言えないわ。こんなに非常食準備してる人なんて見たことないわ。お陰で助かってるけどね」
「最上さんはこういう時頼りになるよね。僕、災害とかあったら最上さんに頼ればいいやって安心出来てたもん」
遥香と海斗の言であるが海斗はもう少しだな……でもその分毎回仕事はしてくれてるしお互い様か。台風対策とかも海斗の仕事は実に頼もしい。
今も自宅の要塞化は海斗によって進められているところだしな。
「それで個人及び少数の集団で即日物資調達に動かず保留を選んだ奴も一定数いると思う。外は危険と思うのも自然だしな。ただ一日二日は空腹や渇きに耐えられても3日目となると難しい。そして意思統一の時間もそこまで必要ない。やむに已まれず動き出すのが3日目かな、と予測したわけだ」
「なるほどね。そしたら明日くらいまでは外に注意した方がいいのかしら?もっとも、海斗君がいればそこまで心配しなくてもいいかもなんだけどね」
「僕あんまり人に怖がられる役目は嫌なんだけど?まぁ嫌とか言ってられないのは分かるし、争うよりは逃げて貰う方がいんだけどさ」
「海斗はすまん、我慢してくれ。それと最初から海斗に見張りをさせるのはなしだ。覚悟して来るやつが増えるし不意打ちも心配だ。人が来た場合の対応は同じようにまずは俺が出る。それで油断したところに海斗が登場する。こっちのほうが覚悟させずに戦意を挫ける。と、俺も半信半疑だったんだが効果があったわけだしな。明日も来客時は頼むぜ海斗。それと明日くらいまでの辛抱、のはずだ。
空き家や店舗から調達するやつが多いと思うし、出来ないやつは諦めて避難所に行きだすはずだ。集団が嫌いで籠ってたやつも背に腹は代えられないからな。
そしてさらにひっ迫する避難所なんかが動かざるを得なくなるであろうタイミング。つまり一週間だが。ここまでに予定の準備を終わらせておきたい。もうしばらくここに籠るにしても、動くにしても、だ」
「了解、よくわかったわ。それじゃ各自、仕事に戻りましょ」
こうして俺たちは異変からの一週間を、この先必要になると思われる物の準備に追われていくのであった。
―来客は数件あったがほぼ同様に対応できた。海斗は少し残念そうだった。遥香は慣れたのか意に介してないし、雫はまだ少し怖がっていたりと三者三様であったが。
幸いにして化け物の来訪がなかったことと、皆には話さなかったが本当に悪意を持って略奪に来るかもしれない集団の来訪が無かったことはまぁ助かった。
多少大きい程度のスーパーなんかを根城にしてるやつらもいるはずだと思うんだ。ショッピングモールクラスだと避難所になるだろうし。大きな集団が動きだすだろうこれからは、そういった質の悪い集団との交渉も必要になるかもしれない。遥香の力で10人程度の黄色のグループがいることは分かってるしな。そいつらが動いていないことも遥香が意に介していない理由かもしれない。
そして準備も粗方終了しこれからのことを改めて相談しようとリビングに俺たちが集まったその時、映らなくなっていたテレビにあの白い影が浮かび上がるのだった――
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