2日目(24)
入学式の翌日。
高等部1クラスの定員数は40人。
昨日は入学式ということもあって40の席は全て埋まっていたのだが、今日は空席が目立つ。
俺の隣の席も空席になっていた。
昨日初めましてこんにちはをして、これから部活を新しく作ろうと約束した原田さんの姿は無い。
「よーし。おまえら昨日出来なかった自己紹介してくぞ。端から順に名前と⋯⋯あと好きな物とか趣味とか話してけ」
教卓に着いたダルそうな中年の担任教師がそう宣言して我がD組の自己紹介が始まった。
俺を含めて24人全員の自己紹介が終わる。
16人⋯⋯4割が減ったのか。
入学初日からこれは多いのでは無いだろうか。
「自己紹介は終わったな。んじゃ次は班決めだ。4人1組を作れ。まだお互いのことをよく分かってねぇかも知れんが、そうも言ってられんからな。ちなみに分かってると思うが3年間は班替えは無しで、学生寮も同室になるからな」
班決めか。
これから3年間は寝食を共にし、ずっと行動をする班員。
ここはやはり女の子と班を組みたい⋯⋯。
あ、いや。同性との方が気を使わなくて楽か?
でも、やっぱりそこは、ね?
女の子との共同生活って憧れるよね。
先生の指示を受けてクラスメイト達が各々動き出す。
やはりと言うべきか昨日一緒に行動した者同士で班を組もうとしている。
まあ、そうなるのも必然か。
「あ、あの⋯⋯」
声をかけられた。
振り返るとそこには陰鬱とした雰囲気で前髪が長いこと以外は特に目立った特徴のない女子生徒が居た。
「えっと⋯⋯水瀬さんだっけ?」
「⋯⋯はい」
昨日、一緒に行動した女の子だ。
「も、もし⋯⋯よろしかったら⋯⋯」
水瀬さんはオドオドと躊躇いがちに呟く。
これはアレかな。一緒の班を組みたい的なそういう方向かな。
「水瀬さん俺と一緒の班を組む?」
「⋯⋯ッ!は、はい⋯⋯!よよよ、よろしくお願いします⋯⋯!」
ビクリと身体を震わせながら水瀬さんは深々と頭を下げた。
よし。これで班員の1人目が決まった。
あとは2人。
周囲を見回すとぼちぼち班が決まった所が出来てきたようで4人ひと塊となっている。
クラスメイトは24人だから余ったりすることは無いだろうけど⋯⋯。
おっ、丁度都合よく教室の隅で2人で固まってる人が居る。
ショートカットの目立った特徴の無い女子とセミロングの何処かぼんやりとしている女子の2人組みだ。
名前は確か⋯⋯佐々木さんと篠崎さんだったかな。
「水瀬さん。あの2人に声をかけようと思うんだけど、どう?」
「お、おまかせ⋯⋯します⋯⋯」
との事なので、その2人に声をかけてみる。
「君ら2人?俺達も2人なんだけど、どうかな?」
「あっ、はい。えっと⋯⋯」
ショートカットの方の佐々木さんが反応してくれて、もう一方のセミロングの篠崎さんを伺う。
「⋯⋯⋯⋯」
篠崎さんは何かを考えるようにジーッと俺と水瀬さんを暫く見つめた後にこくりと頷いた。
これはオッケー?
「あっ、あの。僕も大丈夫なので」
篠崎さんに続く形で佐々木さんも了承の意を示す。
「それじゃ、佐々木さんと篠崎さん。これからよろしくね」
「よ、よろしくお願いします」
「うん。よろしく」
「⋯⋯よろしく」
こうして俺の班が決まった。
「改めまして茂木士道です」
「み、
「僕は
「⋯⋯
ふむ。
俺以外の班員は全員女の子だ。
これはハーレムなのでは?
ここからきっと俺の素敵な学園生活が始まっていくのだろう。
楽しみだなぁ。
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