ヒーローとは何か、自分とは何者か——静かに問われ続けるような物語でした。
作者様の目に映る世界を、心で受け止め、深く感情として消化し、ファンタジーとして立ち上がる技術に感嘆しました。
間違い電話という偶然に潜むものが、さりげなく運命を揺り動かす展開も秀逸で、どこか寓話的な温度を帯びていた点と、退職代行という現代的で風刺的な設定を、皮肉ではなく救いとして描くセンスも見事でした。
人は誰かを救う前に、自分を許すことから始めてもいいのだと、静かに教えられた気がします。
素敵な作品をありがとうございました。今後の執筆も心より応援しています!