第105話「ファルム領の視察」
#第105話「ファルム領の視察」
ファルム領での開発を本格的に進めることが決まった。そこで開発の方向性を細かく決めるためにマルク兄とカイ兄がファルム領に視察に行くことになった。
「俺も行きたい!」と手を挙げると、ミリアちゃんが「ルカがうちに来るの!」と満面の笑み。喜んでくれて嬉しい。
その様子を見たリリア姉も「じゃあ私も」と言い出した。結局うちの領からは4人で行くことになった。本当は父さんにも来てもらいたいところだけど主要メンバーが抜けすぎるのも問題なのでお留守番だ。
そこで俺はふと思った。よく考えれば、レオンさんやミリアちゃんは何度もヴェルド領に来てくれるが、俺がファルム領に行くのは初めてなんだ。まあいろいろと忙しかったから仕方がないけどね。
隣の領なので移動は驚くほど早く数時間で到着。ここ最近の数日~数週間単位の旅に慣れていた身には拍子抜けするほどだった。
「これなら気が向いた時に何度でも来れるな」と思った。ファルム領も自然豊かでとてもいいところだ。景色も最高で素晴らしい。
屋敷に着くと、レオンさんの奥さん――エレナさんが笑顔で出迎えてくれた。
マルク兄は早速、地図を持って周辺土地を見て回って確認し、「やっぱり地図は作り直したほうがいいですね。小区や中区の区分けもして戸籍も一緒に作るといいでしょう」と提案。レオンさんも即同意した。
この辺りはマルク兄の専門分野。すでにヴェルド領で一度やってうまく進めているのでマルク兄の提案通りに進めれば問題ないと思う。
その後は空き地の開発や今後の農産物生産について、レオンさん、マルク兄、カイ兄が意見を交わしていた。
「そんなに居住区に土地を割いた方がいいのかい?」とレオンさん。
「すでに人は増え始めていると思いますがおそらく人は更に増えます。将来的に生産拠点や酪農他に転用することも可能なので今は余裕を見た方がいいですよ」とマルク兄。
「そうですね。おそらく生産拠点も手狭になるでしょう。余裕をもっていてくれると助かります」とカイ兄。
その後は様々な話が進んだ。ファルム領にはまだ専門分野の人が足りない。ヴェルド領からの人員派遣と仮生産拠点設置も決まった。人を派遣するのも領が近くにあるからすぐに何とかなりそうだ。
さらにマルク兄は「森を少し切り開いてもいいのでは?」と提案した。これは騎士団の討伐と並行する案であり、安全確保と土地拡張が同時に進む政策だ。
レオンさんもそれはありがたい。是非、進めて欲しいと頷いていた。
様々な話が具体的に進んでいく。間違いなくファルム領も発展していきそうだ。うちの領だけでなくファルム領も発展すれば更に楽しくなりそうだ。今からワクワクする。
リリア姉からはヴェルド領から騎士団や魔法使いを派遣するだけでなくファルム領の騎士団増強に動いた方がいいと伝えていた。今後は両騎士団が交流を続ければファルム領も強くなっていくことだろう。
ただし騎士団が強くなるためには意識改革は必須なので時間はかかるかもしれないけどね。その辺りはガイル兄やカレンさんにも手伝ってもらい進めてもらいたいところだ。
そうして様々な計画について話し合った。かなり良い方向に進んでいきそうな気がする。
そして夜はファルム領の食事を堪能させていただいた。そうそうファルム領の野菜と果物は特別においしいんだよね。
「野菜も果物も驚くほど甘くて美味しい!!!」
今日も思わず叫んでしまったよ。やっぱりおいしい食事は何よりも大事。ファルム領にはますます発展してもらわないとね。
レオンさんによるとファルム領とヴェルド領は共に辺境で厳しかったが今はヴェルド領の発展した影響でファルム領もかなり潤っているとのことだ。ファルム領の領民も豊かになっているらしい。
レオンさんは「くれぐれもお父上に感謝を」と何度も言ってくれた。
「レオンさんを始めとしたファルム領が頑張った成果ですよ。うちはありがたく買い取らせていただいているだけです」とマルク兄が答えていた。さすがマルク兄だ。次期領主になると言われているけどすでに堂々としていると思う。
そして、うちの領の発展が近くの領の発展にも多少は寄与しているようでちょっと誇らしかったよ。
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