第104話「ファルム領との協力会議」

#第104話「ファルム領との協力会議」


 今月の会議には、ファルム領からレオンさんとミリアちゃんにも来てもらった。

 ヴェルド領は急激な発展でどうしても手狭になってきたので、ファルム領の協力を取り付けたかったのだ。

 レオンさんも領の発展はありがたい。望むところだと言い今回はより具体的な話を詰めることになった。


 まずはヴェルド領の各分野の進行状況報告から始まった。

 

 まずはガイル兄、カレンさんから。


「騎士団は基本的に順調。やや人はたりないがうちの討伐だけでなく他領からの討伐依頼もこなしている。他領だけでなく国からも感謝の言葉をもらっている」とガイル兄


「うちの領もお世話になったと感謝の手紙が来ました。本当にありがとう。私もヴェルド領の騎士団の発展に寄与していきたいと思います」とカレンさん


 騎士団は順調そうだ。国から感謝の言葉も届いているらしいし今後も要請が増えれば更に増強していくかもしれない。やはりうちの要は騎士団だと実感する。



「ルカ、水を動かすことができる魔法使いを増やして欲しいが可能かな?あれは良い訓練になる」とカレンさん。


「うーん。あれは微細な魔力調整が必要なのでちょっと厳しい。俺とリリア姉ぐらいしか現状はできないからかなり先になりそう。俺がちょいちょい相手するから当面はそれで許して欲しいかな」


 現実問題として水を自由に動かす魔法については現状できるのは俺と、もう少しで習得できそうなリリア姉ぐらいなんだよね。

 基本的な訓練をしている魔法使いにはまだまだ厳しい。たまには俺の水魔法で騎士団の相手もするのでそれで許して欲しいところ。



 続いてマルク兄からは農地・酪農地拡張の話があった。


「現在、農地・酪農地を拡張しているが、今のヴェルド領は商業施設の拡充も必要となっておりちょっと手狭になっている。優先順位付けが難しい。そこでファルム領にも農産物などの増産をお願いしたいところなんだ」


「いや、それはうちからお願いしたいぐらいの話だ。現状、作れば作るだけヴェルド領が買ってくれているからありがたい。要望があればできるだけ答えたい」とレオンさん。


 そうなんだよね。うちの領は急激に発展したから生産が追い付いていない状況。人手も足りない、土地も足りないという感じになりつつある。拠点を増やさないと厳しい状況なのでファルム領が協力してくれるとかなり助かる。


 協力してもらえるか、ちょっと心配だったがレオンさんは即同意してくれた。レオンさんとしても自領の発展は望むところらしい。更に農産地を増やし増産することも問題ないとのことだった。


 そこで俺は区画整理と戸籍作りを提案した。管理の混乱を防ぐためだ。人と土地が増える前にある程度は計画を作っておいた方がいい。うちでも過去にやった地図の新規作成、区画整理、小区、中区などの話を簡単にした。それでうちはうまく回っている。


 レオンさんは「ルカ、君は本当に六歳かね?」と唸ったが、父さんは「ルカはいつもこうだから今後もそのつもりでいて欲しい」と笑っていた。



 その後はカイ兄の生産関連に話が移った。


「今ある生産拠点を順次増やしていく予定。今は一か所に集中しているけどやはり製品ごとに変えた方が効率が良い。少なくとも建築、土木、武器、工芸は分けたい。細かくいえば更に分けたいところだけどね。もちろん人もまだ増やして欲しいかな」


「あとファルム領でも生産拠点を作りたい。そうすれば更に生産を増やせる」


「それはありがたい話だ。是非お願いしたい」とレオンさん。


 今、一番忙しいのはカイ兄のところかもしれない。新しい居住地、宿泊施設、店舗、区画整理や土木工事などてんてこまいの状況。生産拠点を少しずつ増やして何とか対応している。


 今後ファルム領の開発も進めるならばファルム領でも生産拠点は必須だろうね。レオンさんもそれは分かっているようで即返事をしていた。そもそも自領に生産拠点ができること自体がかなりありがたいらしい。



 エマ姉とテオ兄からは酪農が軌道に乗り、安定したチーズ生産も可能になったとの報告があった。ただし現状は柔らかいチーズのみ。今後は固形チーズも作りも考えたいとのことだった。

 そこで更に酪農地を増やしたいということだ。もちろん女性陣の頭の中にはシャンプー石鹸の原料になる美容用ホエーの需要も頭にある。酪農も更に忙しくなりそうだ。


 リリア姉は討伐や講習で引っ張りだこで必要に応じて動いているとの報告があった。まあリリア姉はどこに行っても人気ものだからね。

 

 俺はというと、比較的自由に動かせてもらっている。俺だけ好き勝手動いているがいいのだろうか?とちょっと思うけど特に言及がなさそうなのでいいかな?


 その後はリナ姉からは麦わら製品が依然好調との報告があった。麦の増産が必要。それが厳しいならばファルム領での生産も視野に入れた方がいいと提案していた。


 ミリアちゃんもパンの美味しさを知っており、レオンさんに麦作りを推奨。麦を作るのは技術的に難しいと渋っていたが、うちの生産ノウハウも提供すると言ったら、そこまでしてくれるのか!とびっくりしていた。


 更にテオ兄はパン窯も作れるからファルム領でもパンを作れるようになると言及、レオンさんは「まさか、うちでもヴェルド領で最近、人気の高級パンが作れるようになる未来が来るのか?」と目を丸くしていた。


 最後に父さんがレオンさんへ「ファルム領も今後、急激に変わるかもしれない。予め覚悟しておいた方がいいよ」と助言していた。何の助言なんだか。


 こうしてファルム領には農産物の増産をお願いし、更には生産拠点づくりなどを進めることで基本合意した。


 今後はヴェルド領だけでなくファルム領も忙しくなりそうだね。

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