自身も物語を書く立場で、読みながらグサグサと刺される思いがしました。偉大な作家である主人公の父によって、作品を書く上で必要なことは何か、どんな視点で他作品を読むべきかが語られていきますが、ストーリーもさることながら描写の一つひとつに作者の鋭い視点が光っていて興味深く拝読しました。背景に豊かな教養も垣間見えて書き手として勉強になるお話でした。
向き合うというのは、相手に合わせることではない。遠慮せずに自分らしくあることだ。ですよね?それが強きも弱きも関係ない。遠慮せず向かい合う。そのために創作に悩める高校生になって、プロの作家になって、芽吹く前の高校生になって。様々難しいことをして見せてこれだって示してみせる。強くてかっこいい物語です。おすすめです。