第18話

「……は?なに言ってんだよ、どういうこと?」



焦りの色が滲み出る翔に、私は追い打ちをかける。



「だからさ、かなことの結婚はいつやるのかなって聞いたの。まだ未定?^^」



翔の顔から一気に血の気が引いていくのがわかった。



「待てよ、なんでそんな……どういうことだよ?」



「言葉のまんまだよ。私に何か言うことない?」



「ちがう……違うんだよ!かなことはなんでもない、連絡先も知らねぇし!」



私は小さく肩をすくめて笑った。



「そうなんだ。じゃあ今からかなこが来ても問題ないよね?」



翔の顔が凍りつく。



「……は?かなこが……?」


「来るよ。もうすぐ。」



その瞬間──


ピンポーン



玄関のチャイムが鳴り響いた。



翔は完全に動揺し早口でまくしたてる。



「無理無理無理、開けんなって!」



私はそんな言葉を無視してドアへと向かいゆっくりと開けた。


「どうも〜!おじゃましまーす♪」


そこには何も知らない笑顔のかなこがいた。


私はにっこりと微笑み返した。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る