1.ブルースライムの生態
この世界で昆虫の次に繁栄していて、最も冒険者が初めて相対する生き物はスライムだろう。
ここでは、最も原始的なブルースライムについて調査した記録を書き記す。
・ブルースライムとは
分類:スライム種,スライム目,ブルースライム科
サイズ:直径2mほど
生息地:川や池がある草原
危険度:E
レア度:★☆☆☆☆(全域に群生)
弱点:コア
・ブルースライムの身体構造と生態
青く透き通ったゼリー状の体に流線的なフォルム、中央に脈動するコアが存在する。
まず、スライムというのは微細な生物群体であるスライモゾアという微生物が数億匹集まって1個体となっている。
それぞれ、水分を主とした粘液で結合していて、中心になるにつれてスライモゾアの密度が上がる。
つまりコアというのは、スライモゾアが高密度に集まって形成されている球体であり、主に捕食や移動を司る個体が密集している。
このコアが筋肉の役割を果たしていて、微細な動きでゼリー状の体を制御する。
そのため、コアが破壊されるとスライムは形状を維持できずに崩れる。
その性質から、冒険者はコアを狙うように指導される。
他のスライム種はコアを保護する進化を遂げているが、ブルースライムは単純な構造を維持している。
この構造の単純さが、生存戦略の鍵となっているのだ。
ブルースライムの体を形成しているのは水分と粘液とスライモゾアのみであるため、栄養と水分さえあればスライモゾアが繁殖する。
スライモゾアの数が増えていくことでやがてブルースライムは分裂をして個体数を無制限に増やすことができる。
個体数を増やすことに特化した生存戦略である。
だが、繁殖が容易が故に個体数が増加しすぎてしまって草原の生態系が破壊されてしまうことが問題となっており、国によっては害獣指定されている。
この単純な構造とスライモゾアの特性は、冒険者や市場での利用にも影響を与えている。
・ブルースライムの利用方法
新人冒険者は討伐したブルースライムの粘液を瓶に採取し、
ブルースライムの粘液は酸性を示し、スライモゾアの代謝によって生じる微量なスライモシン酸という旨味成分を含む。
そのため、煮詰めた後に冷やした粘液をマリネに利用するのが一般的である。
酢のようなツンとした酸味ではなく、柑橘などに近いような優しい酸味で広く愛されている。
また、粘液は乾燥しても水分を含ませることで元の粘液に戻すことが出来る為、野営の際には簡易的な洗剤として重宝されている。
数億匹のスライモゾアが協調して1個体を形成する異常な群体性、乾燥からの復元力、生存戦略で述べた繁殖力、これらの特性は、研究者から注目を集めている。
・ブルースライムの食性
ブルースライムは、雑食性だがタンパク質を主に求めており、昆虫や小動物、稀に人間などを押しつぶすようにして消化、吸収を行う。
しかし、骨や外殻、金属類などは消化できないため、捕食現場やブルースライムの体内には捕食された遺留物が残されることが多い。
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