第6話 学校とトラウマ
足取りが重い...
この前の配信もあり学校へと向かう私の足は鉛のように重く感じた...まぁ実際の鉛だったとしても軽々と持ち上げられるだろうが...
「行きたくないなぁ〜」
「ほら変なこと考えてないでさっさっと行くよ!」
やめてください、死んでしまいます。
しかし私の願いは無慈悲にも苑夏は無視して襟を掴まれ引きずって行った...
〜〜〜
視線が痛い...
明らかに見られている...
他人の視線などと日陰者の私には無縁の存在だと思っていたがこんな形でスポットライトを当てられてしまうとは...人生上手くいかないものである。
「ねぇねぇ涼菜さん超越者だったんだね!あのさ私涼菜さんとお友達になりたいんだけど、いいかな?」
「え〜私もなりたい!」
クラスのみんなが私に話しかけてきて仲良くなりたいと言ってくる...似ている。
両親が亡くなったあと執拗にこちらにつけこもうとしてきた親戚と名乗る人達に...彼らの目は私を見ているようで見てなどいない...
あくまで興味があるのは私ではなく私とのコネクションと話題性、有名人と仲良くなっている自分に酔いたいだけの嫌な奴ら...
「私に関わらないで貰えますか?」
無意識に出てきた言葉は自分でも驚くほど冷たく、人と関わることが苦手なはずなのにえらくスラスラと私の口から出ていった...
「涼奈さん感じ悪いよ?」
「やっぱりやめとこうよみんな?こんな感じ悪い子だとは私も思わなかったし」
やっぱりこうである...
その目標が自身の思い通りにならないと知ると人はいとも容易く関心なんてものを捨て去ってしまう...
こんなにクラスに晒された言っても過言ではない状況で普段の私ならあたふたして何か弁明の一つや二つしていたのだろう...
でも出てきたのは呆れと軽蔑の眼差しだけだった...
そもそも私が人と関わるのが苦手な理由はこれだったのかも...
「てやぁー」
「痛ッ──何するの苑夏!」
突如頭にチョップを入れられ苑夏に講義する。
そうすると苑夏は舌を小さく出し「隙だらけだったんだもん」と言うと、
「苑夏さんもその子と仲良くしない方がいいよ?感じ悪いし...」
「バンッ─私人に話しかけた後に晒しあげるような真似をする人の方が感じ悪いと思うな〜」
苑夏私の机を強く叩くと、先程声を上げた子に言葉を浴びせる...
その女の子は流石に分が悪いと感じたのか小さく舌打ちをして去っていった...
「えっえっと...涼奈ちゃん私本当に仲良くなりたくて...」
話しかけてきたのは自分と同類であろう気弱な女の子だった...
そこで私は勝手に被害妄想に耽り全員を同じ人として見ていたことに気づいた...
本当に仲良くなりたかった子もいるんだ...
そう思い至ると急に自分が恥ずかしくなり俯いてしまう...
「だ、大丈夫!?」
「大丈夫、大丈夫、勝手に黄昏てるだけだから」
苑夏がなんの気なしに答える。
間違ってもなかったので言い返せなかった...ぐぬぬ...
「え、えっとごめんね...え〜っと...」
やばい...名前覚えてない...
もう学校も始まって三ヶ月が経つというのに苑夏と先生ぐらいしか名前が分からない...
あまりにも人との関わりを避けてた弊害がここで出たか...
「あ、もしかして覚えてなかった...?じ、じゃあよろしくね...私は咲那、河原咲那」
「う、うん、よろしく...咲那ちゃん...」
「...」
「...」
「えぇい焦れったい!ところで涼菜今日も配信するよね?ていうかしろ!」
「あ、そういえば苑夏ちゃ〜ん?師匠に配信のこと言ったんだってね?どういうことか詳しく聞かせてもらおうか?」
「ナ、ナンノコトカナーワタシワカラナイ」
そういう苑夏の目は泳ぎに泳ぎまくっていた...
まぁ今日は助けてもらったし許してやろう...
「あと配信は続けるよ...」
「え、意外...」
自分で言っておきながら何勝手に驚いてるんだろうか...
「師匠が続けろって...」
「あぁ...」
師匠の名前を出すと苑夏は納得いったようにそれと憐れむように声を漏らした...
師匠の言うことを聞かなかったら次会った時だいたいこってりと修行をつけられる...
修行とは言っているが師匠が私をボコるだけの地獄の時間でしかない...だから嫌でもやらざる負えないのだ...
そして苑夏は何かを思いついたらしく私に話しかける。
「じゃあ配信するんならさ...」
「え!?」
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読んでいただきありがとうございます!
次回は配信回!
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