17話
side-ティナ
この街はスタンピードの影響で、どこもかしこも閑散としてしまっているわ。
幼馴染のあの2人は街壁に行って、何かあったら戦闘するんだって…
それに比べて私は何の力も持たない、ただの売り子
「今日は流石に人もいないし、終わりにしちゃおうかな…」
そのままお昼も回らないうちに店を閉め、お家に帰っていた。
あれ…
この道、何か変な感じ?
そこはいつもなら何も気にならない細い路地で、よく子供たちが遊んでいるそんな道。
私も何度も通ってるけど、今日は何か不思議な感じがした。
私には度々こういった不思議な感覚を味わうことがあるけれど、
それを感じる時は、決まって私の人生が大きく動き出すの。
あの二人に出会ったときみたいにね!!
私は何かに導かれるように、その細い路地を進んでいった。
「…おや?何故ここに来られたのでしょうか?
認識疎外…人避けの魔法…どちらも問題ありませんか」
道を進んだ先には全身を黒いローブで包まれた怪しい人物が立っていた。
「あなた、何者です?どうやってここまで来たんでしょうか」
ままままま、まずい!!
どうしよう!明らかにやばい人だよ!
というか、本当に人なの!?顔見えないんだけど!
私はパニックを表に出さないようにするだけで精一杯で何も答えられなかった。
「まぁ、消してしまえば問題ありません。」
ああ、どうしよう!何か言わないと!!
ここで選択を誤ったら殺されちゃうよ!!
そうだ!!
「あなたの探し物はここにはありませんよ?」
私は黒ローブをまっすぐ見つめ堂々と言い切った
「なに?」
「―――あれ、私、今何を……」
次の瞬間、私は何者かに操られた風を装い、周囲をきょろきょろする
「お嬢さん?」
「ひぃ!!」
ここでわざとらしく怯える!!
さっきとのギャップを引き出すわ!!
「…はぁ、いいでしょう。ここは大人しく引くとします。
聴こえているか分かりませんが、私は諦めませんよ?」
そう言って黒ローブはどこかに消えてしまった。
――――いけた?いけちゃったの!?
やった私が言うのも何だけど!!
よく騙されてくれたわね!!
はぁ……
とんでもない目にあったよ…
今日は大人しく帰ろ
肩を落として帰る、そんな私を―――
複数の小さな光が見つめていた。
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