16話

キン!キン!


姉さんはまだ戦闘中か…


「これは…お互いに拮抗してるみたいだね」


「ああ、それにレベルが高すぎて、今の俺らじゃ完全に足手まといだ」


もっとも、万全の状態でもどうだったかって話ではあるが


巨体のゴブリンキングの剣劇を正面から受け止め、切り返している。


今の俺じゃあとても真似できない芸当だ。

ほんと、遠いなー


* * *

side-クラリス


楽しい! 楽しい! 楽しい!!!


この剣を会わせた時の衝撃、避けた時の風圧、切り返した剣の重み


全てが私を楽しくさせる!


―――だからこそ判ってしまう


「ふふ、あなた強いわね」


「貴様もな!娘よ!!」


「でも…もう見切ったわ」


「ふん、戯れ言を」


「次で最後よ」


あぁ楽しかった


だからこそ終わってしまうのは寂しい


焔穿エンセン


剣を振ると同時に爆発を起こし、敵の体を吹き飛ばした。


「楽しかったわ」


最後の魔法剣技は上手くいったわね!


鍛えれば師匠にも通じるかも!!


でも、お父様には通じないわね…


どうしたら―――


既に私の頭の中は師匠達をどう倒すかしか頭になかった


* * * 

side-レオン


「楽しかったわ」


まじか…


最後のあの技、前に父さんが使ってたやつだ


あのとんでも技を習得してやがったのか…


「「「「おおおおおおおおお!!!」」」」


「お嬢が敵の大将を討ち取った!!!」「すごいぞ!!」「流石お嬢だ!!」


どうやら俺たちが戦っている間に兵士たちもこちらに追いついていたようだ。


「おい!向こうに大穴の空いたジェネラルが居たぞ!」


「なに!?」


「あ、それは僕が倒したやつですね」


「まじか!!」「シリル坊!やるじゃないか!!」


姉さんやシリルは周りの兵士たちからすごい!よくやった!ともてはやされている


…あれ?俺は?


あ、俺は跡形もなく吹き飛ばしちまったか…


まじかー


周りの評価は然程気にしない俺でも、これは凹むなぁ


折角無属性魔法の汚名を挽回できるチャンスだったんだけど、


………まぁ、いいか!


「おーい、終わったんなら街に戻ろうぜ!


俺腹減ったんだけど!」


兵士たちの少し白けた目を背に俺は街へと戻っていった


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