5話

疲れたなぁ……。


今日も朝から訓練、訓練…

筋肉バカの家系は休みを知らねーのか?

体力お化けどもがっ


しっかし、シリルのやつ、最近妙に気合入ってるな……


こっちが訓練でヘロヘロなのに、ギラギラした目でこっちをみてやがったぞ


嫌な予感がする……なんか言い出しそうで怖ぇ。


そんなことを考えつつ――


はい!!!!

ここからは本日最大のメインイベント、お昼寝タイムである!


朝の訓練が終わったら、姉さんは授業に行くし、


父さんと爺ちゃんは「朝飯前の魔物狩りだ!」


とか言って森へ消えていくし、

母さんも執務室にこもってて出てこない。


つまりこの時間は――!


「誰も!俺の邪魔をしない!!」

ふっふっふ、今こそ最高のだらけ時間を――


……


はぁ


「気分がのらねー」


ふとした時にこの前の模擬戦が、頭をよぎっちまう


あの時、限界以上の力が出た。


でも、それでもだ。


姉さんは平然と俺たちを叩き伏せた。

火の身体強化に、あの技量と筋力。


ありゃもう……人間の域を超えてる。


……どうしたら、あれを上回れるんだ?



無属性魔法には、身体強化とバリアの2つがある。いや、現時点で確認されてるのはこの2つだけだ。


身体強化は、ある程度使いこなせるようになった。今以上の出力を目指すなら、俺自身の肉体を鍛えるしかない。


……そんなの、俺の主義に反する! そんなゴリラになりたくて生きてるわけじゃない!


となると――バリア、か。


バリアは今のところ、「防御」って枠に収まってるけど……


魔法ってのは応用が命だ。


「防御」にしか使えない、なんて誰が決めた?


……よし、決まりだな。

今晩の魔法研究テーマは「バリアの拡張応用」ってことでいこう。


――って考えてたら、なんか満足してきた。


日当たりもいいし、風も気持ちいいし……

このまま、ちょっと昼寝して英気を養うか……zzz……



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