第32話
「あんたは変態よ、嫌い、大っ嫌い! はあああああああああああん!」
フレイさんとまた抱き合う。
フレイさんは一回怒って帰った後ファイアボールを使ってしまった事を謝りに来た。
そして今、こうなっている。
フレイさんは気持ちよさそうに見えた。
でもその言葉は全く逆だった。
フレイさんが何も言えないようにする事も出来たが何か言おうとすると話を出来る程度に手加減をして動く。
「シンシ、あんたなんてセ○○スがいいだけで! 変態紳士なんだから!」
「はあ、はあ、実は、まだ本気じゃないんです」
「や、て、みな、さいよお!」
「はあ、はあ、あまり挑発しないでください」
「早くう、やってえ、みなさいよお!」
「はあ、はあ、私の本気は、魔眼です」
魔眼、魔法を1回見ただけで使えるようになる。
一般的にはそう認識されている。
が、本当の能力は違う。
直観力の強化、物事の本質を見抜く力の向上、それが魔眼の力だ。
私は女性を気持ちよくするためにこの能力を使う事に恥ずかしさを感じる。
紳士でなく、欲望に任せてなりふり構わず女性を落としに行くその姿を見せるのが恥ずかしいのだ。
でも、体を重ねると魔眼を使いたくなってしまう私もいる。
もっとフレイさんを気持ちよくしたい。
もっと乱れた顔を見たい、なりふり構わず私の物にしたいと、そう思ってしまう。
私は今、矛盾した感情を持っている。
やはり私は繊細だ。
「はあ、はあ、いいから、本気でえ、きなさいよ!」
「はあ、はあ、もう、我慢できません。魔眼発動!」
私の瞳が赤く輝く。
「ふぇ?」
フレイさんがベッドの上で乱れる。
フレイさんの言葉がすべて女の淫らな声に置き換わる。
気持ちいい。
フレイさんの女として弱い部分が見える。
フレイさんは不規則なリズムに弱い。
動くリズムを不規則に変えて意表を突き続ける。
フレイさんが来ると思ったタイミングをずらして毎回奇襲を突くイメージで動く。
するとフレイさんが乱れる。
そしてもう1つ、フレイさんは焦らしに弱い。
ゆっくり動いて余裕を持たせた上で一気に責められると途端に弱くなる。
緩急と不規則なリズム、この組み合わせでフレイさんはベッドの上で乱れ狂うように踊った。
◇
「はあ、はあ、はあ、はあ、あんなの、ずるいわ。まるで、私、シンシの操り人形のよう」
「フレイさん、フレイさんがあまりに可愛くて、全力でシテしまいました。紳士でない私を見せるのが恥ずかしいです」
フレイさんの頭を撫でるとフレイさんはそれを受け入れた。
「もうフレイさんの弱い所は分かりました。魔眼無しでも気持ちよく出来ます」
フレイさんは私に体を撫でられながら恥じらうように目を逸らした。
でも、頭を撫でても他の部分を撫でてもフレイさんはされるがままだ。
私を、受け入れてくれたように感じる。
【フレイ視点】
本気を出したシンシの前で、私はただの女だった。
セ○○スはいい、でも変態紳士なシンシは嫌い、そう思っていた。
でも違った。
変態紳士なシンシはまだかわいいものだった。
本当のシンシは変態紳士の皮を被っていた。
あの変態紳士はただの拘束具のような物。
本当のシンシは、
変態紳士の拘束具を外したシンシは、
セ○○スの化け物よ。
私もシンシも炎属性だった。
情熱的な性格、それは同じ。
でも本当のシンシはセ○○スの為に生まれたような獣で化け物。
私なんてひとたまりもなくおかしくされちゃう、もう、シンシのセックスが忘れられない体にされちゃってる。
シンシが私の体を撫でる。
私はその手を跳ねのける事が出来なくて、せめてもの抵抗で視線を逸らした。
「フレイさん、そろそろ帰らないとみんなにバレます。どうしますか?」
ああ、またシンシが私を焦らす。
私をもっと気持ちよく出来るのに気持ちよくなりきれない所で私を焦らす。
負けたくない。
「ニナさんにも、ブレインネルさんにも、スラッシュさんにもバレます。そうなればフレイさんと私の関係はギルド中に知れ渡るでしょう。帰りますか? 続けますか? もし嫌ならセ○○スをやめて帰りましょう」
シンシに負けたくない。
私は言葉を振り絞った。
「セ○○スをやめる」
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