ある日突然、ある日突然、自分以外の人間がカピバラに見えるようになったら、アナタならどうしますか?
中学生の楠杏樹がある日目覚めたら、両親もクラスメイトもみんなカピバラの顔をしたカピバラ人間になっていて、しかも誰もそれに違和感を抱いていない。
右を見ても左を見ても、カピバラばかり。ひょっとして、自分がおかしくなったのか?
ですが同じように周りがカピバラに見えてるが、クラスメイトの男子がいたのです。
同じカピバラが見える朝日奈理人くんと一緒に、奇妙な現象の原因を探る杏樹ちゃん。
けど彼女を悩ませる問題は、なにもカピバラだけではありません。
クラスの女子から受ける、いじめられてるわけじゃないけどぞんざいな扱い。
中学生の人間関係の悩みがよく描かれていて、モヤモヤを抱えながらもそれを乗り越えていく様は、応援したくなります。
そして最後!
ラストの展開が予想外で、驚かされました!
カピバラって可愛いですよね。丸っこいフォルムに穏やかそうな顔つき、癒されます。
だけど、ある日自分以外の人間の顔がカピバラに見えたら、可愛いなんて言っている場合ではありません。
そんなおかしな事態になったのが、本作の主人公、楠杏樹ちゃん。
当然パニックになるのですが、他のみんなはそんなことはなく今までどおり普通に人間に見えているので、誰かに相談するわけにもいきません。
しかし、顔がカピバラになっていない人間も、ごくわずかですがいました。さらにその中に、杏樹ちゃんと同じく周りがカピバラだらけに見えるようになった人が、一人だけいたのです。
その人は、同じクラスの朝日奈理人。ようやくこのおかしなことを話せる相手ができた二人は真相究明に乗り出すのですが、こんなとんでもない現象、はたして調べたところでわかるのか?
そしてそんなふたりの接触がきっかけで、周りの人間関係にも変化が訪れるのですが、そちらも、いったいどんな結末を迎えるのでしょう?