第6話 どうするべきか
緊張はどこえやら、直ぐに酒に酔ってしまった。
2人ともあまりお酒を飲むことは好きではないが、出された酒が飲みやすかったのと、場所の雰囲気もあった。
なんだかんだ言って直ぐに打ち解けることが出来たし、この人たちにも生活があって、暮らしがあって、家族がいた。
盗賊に家族・・・と、疑問に思うかもしれないが、意外と多いそうだ。盗人に子供がいるなんて、実際に信じたくはない。
ここにいる盗賊の主な収入は、物品の回収、販売と言っていたが、どこかから盗んだものを売って生活をしている。いかにも盗賊らしい。命問わず、お金第一。その考え方は嫌いじゃない。
でも、どんなことにだって理由があるかもしれない。もちろん、人殺しが好きだったり、盗むことが好きなやつらだっている。
ここにいる奴らは、意外なことに人殺しはそこまで好きではないらしい。出来るだけ血を流さないようにしているとか言ってたな。本当か~~?と、疑問に思うが、さっきの荷台に人がいたことが証拠になる。
実際、生きるためならなんだってやる。俺たちだって今ここに力があればこいつらを殺すだろう。
善悪で区別することはしない。だから今は座って時間を過ごし、タイミングを待つ時だ。
・・・ ・・・ ・・・
さて、この二人はいったい何なのか?疑問があった。
俺は馬鹿ではあるが、間抜けではない。20人くらいのメンバーの顔も名前も当然知っている。もし新規で入るやつがいたら面接して採用するのは俺だ。
それで、こいつらは何者なのか、そこが疑問だ。
まず俺たちを捕まえる警察ではない。警察ならとっくに連絡やらしているし、接触せずに行くはずだ。ならば恨みを持っている誰かに雇われた暗殺者か?
それも違う。飲料水に細工をしても使っている酒は一緒だから、毒を盛ればこいつらも同じ目に合う。狙いが何なのかがわからないから不気味だ。
何者なのかは怪しいが、俺たちと同じ匂いがする。だからか、どうしても敵だとは断定が出来ない。
そこら辺も含めて最終的な判断はおいおいとするしかなかった。
・・・ ・・・ ・・・ ・・・ ・・・
「それで、アーバンさんに質問なんですがいいですか?」
「なんだ、何が知りたい?」
「いえいえちょっと聞きたいことなんですが、あの荷台の中に
女の子がいたじゃないですか。あいつはいったい何者なんですか?
「下級貴族の確か3女じゃなかったかな。名前は知らない。」
「どうしてですか?」
普通は、拉致した場合、相手のことを知っているうえでその人物の価値を知っている。もしくは、顔や年齢、体格で価値をつけて拉致する2タイプに大きく分かれる。
人を拉致するってのは意外と難しい。性の吐き口にするならまだしも、売るってなると販売ルートや、その人物の評価が値段に左右する。だから貴族は高く売れる。
人生い経験が限られているから。生き方に初々しさがあると価値がある。
貴族は高く取引される。出回ることも少ない。なのに売ったりすることが目的ではないと、単なる馬鹿か、依頼されたかと考えられる。
一瞬あの少女を救えば利用価値があるかもしれないとも考えたか、使い方が分からなければ意味がない。なので結局何もしないのが最善だと考えるしかなかった。
「知らないものは知らない、なんだ、興味でもあんのか?」
「ありませんね、好みでもないし」
キッパリとそうエイジは言った。
ジンが結構酔い始めた。元々俺たちは酒は飲まないし、出されたお酒がとても飲みやすかった。
「俺の母ちゃんにファンファーレが流れてる」
何言ってんだ。お前お母さん子じゃなかっただろ。
アーバン率いるこの集団に関しては、俺たちからは良くも悪くもない印象だが、向こうからするともし怪しいと感じていたら、何が狙いか分からない存在だろうな。現状は謎な存在でいいかもしれない。
こいつらから知りたいことは特にないかもしれない。なので今後はどうするか、2択だ。
プラン1、一緒についていく。これは仲間と認識しているのなら心強い。
だがデメリットは、自分たちで行くとこを決めることが出来ない。
それにこの場所で知ることが出来る情報が限られてくる。
プラン2、こいつらとは見切りをつけて別行動をする。これは自分たちの行きたいところに行けるというメリットはあるが、主な問題として食料、そして金に物凄い困る。金が存在するのはありそうだと予想していたが実際に荷台のとこに小銭だが確かにあった。
どちらを選んでもいいことがない。結局運は見方じゃないってことか。
何より相談しようにもジンは完全に酔いつぶれているし、どうしたもんか。
「お俺はあっちでオシッコしてきま~す、フォー」
本当に今日はどうした。この数日の疲れのせいなのか頭のねじが3本くらい抜けている。はぁ、今後どうすんだよ。
るんるるんるるん、らんらららん。
「今日はいい天気だ空は晴れて快晴だ~」
「お、あの木なんていいだろうな」
どこかタッションに良さそうな木を探してるジン。
チャックを開けてし始めた。
「あぁぁぁぁぁーーーーーーー」
なんだか、自分の全部が流れです感じがした。そして凄い快感だった。貯まりにたまった物が出た、そんな感じだった。
その時だった。目の前、約5メートル先に知らない少年が立っていた。そしてその少年は青く光る剣を持っていた。
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