第24話 寂しいからさ
結論から言って山口美鈴は前世の記憶を持ちそして御剣を洗脳。
そして御剣を救うという名目で御剣を操っている事が分かった様な気がした。
いずれにせよ。
山口がとんでもない野郎だって事は分かった。
俺達は山口を一旦放す事にした。
俺は御剣を見る。
御剣は無言のまま疲れ切っている様に見えた。
俺は次に美玖を見る。
美玖も悩みながら歩いている様に見える。
すると美玖が口を開いた。
「...どうする?英二」
「どうするって言ってもな。トチ狂った野郎ってのは分かった。今から考えていくしかないだろう」
そんな言葉に御剣がボソッと呟いた。
本当に複雑な顔をしながら。
「美鈴は...私に何がしたいんでしょうか」
という感じでだ。
俺はその言葉に「山口のやっている事は訳が分からない」と言った。
御剣が立ち止まる。
そして御剣は「私はこっちなので」と分かれ道を指差した。
それから御剣は頭を下げてから挨拶をした。
そんな御剣に声をかける。
「御剣」
「はい」
「...正直、俺はまだお前を信頼出来ない。だからこれで仲良くなるつもりはない。だが今日の事は感謝する。ありがとう」
「...はい」
それから御剣は頭を下げてから去って行く。
俺はその姿を見てから美玖を見た。
美玖は「...」となり考え込んでいた。
☆
家に帰ってから俺は直ぐに雪乃の部屋に行く。
それからドアをノックすると直ぐにシャツとスカートの雪乃が出て来た。
やつれている。
黙っていると雪乃が「大丈夫。お昼ご飯は食べたよ。まだ死んでないし」と言った。
俺はその言葉に堪らず雪乃を抱きしめた。
「英二さん?」
「お前の事。前世から何も分からなかった。本当にすまない」
「英二さんのせいじゃないよ。悪いのは山口だから」
「...」
「心の底から山口をぶっ殺したい気持ちがある」
歪んでいく雪乃。
強く強く怒りを滲ませる。
俺はその姿を見てから「雪乃」と言う。
それから「今日、一緒に寝るか」と言った。
雪乃は「え?」と俺を見る。
「お前の心が不安定だからさ。...俺がなんとかしないといけないだろ」
「不安定って程じゃ」
「良いじゃないか。昔はたまに寝てたろ」
「もう。子供じゃないんだから。...でも良いよ。英二さんと一緒に今回は寝たい。エッチな事は抜きで」
「当たり前だ。エッチな事は論外だ」
それから俺は雪乃に苦笑いを浮かべる。
雪乃は俺に笑みを浮かべてから「楽しみ」と言いながら笑みを浮かべた。
俺はその姿を見てから「だな」と言った。
☆
そして夜になり。
俺はベッド傍に布団を広げた。
それから俺は待っていると雪乃が俺の部屋をノックしてきた。
その事に「入ってくれ」と言う俺。
雪乃が枕を持って入って来た。
「英二さん。お邪魔します」
雪乃はゆっくり部屋に入って来る。
それから雪乃はピンクのパジャマ姿を見せてからモジモジする。
色気がある訳じゃない。
何故なら熊のキャラクターがインプットされているからである。
「雪乃は熊が好きだよな」
「そうだね。小学校時代からのお気に入りだから。このパジャマ」
「...」
「お父さんの遺品だね」
自嘲する様に呟く雪乃。
俺はその言葉に「...雪乃。今日は少しだけ夜更かししようか」と言う。
雪乃は「夜更かし?」と言ってくる。
俺は頷きながら「過去の話を共有出来たらなって思うんだ」と目線を写真立てに向ける。
雪乃は笑みを浮かべた。
「分かった。英二さんが言うなら」
「...」
雪乃を見つつ俺は考える。
優しげに微笑んでいるが...今にも消えてしまいそうである。
俺はその姿を見逃さない。
「ねえ。英二さん」
「なんだ」
「英二さんはもう二度と好きにならないの?女性を」
「いきなりどうした?」
「ごめんなさい。こんな事。ただね。もし私を選んでくれたら嬉しいなって」
そう雪乃は言いながら俺に寄り添いつつ笑みを浮かべた。
俺は「...そうだな。だけどもうそろそろ腹を括らないとダメかなって思う。お前らに応えないといけないかなって」と言う。
すると雪乃は「だね。まあでも」と話した。
それから「私が選ばれなくてもまだまだ英二さんから離れられない」と雪乃は言った。
そして雪乃は苦笑する。
「子供な部分は拭えないね。やっぱり」
「...それが当たり前じゃないのか?15歳なら」
「15歳って中途半端だね。本当に」
雪乃はまた自嘲しながら「ごめんなさい」と呟いた。
それから雪乃は俺の手を握ってくる。
そして恋人繋ぎをした。
「なあ雪乃」
「?...何?英二さん」
「もし俺がお前を選ぶ事になったらお前は...」「私はその時は喜ぶだろうね。でもあくまで英二さんのペースで歩んで行ってね。私は選ばれなくてももう大丈夫だから」
「強くなったな」
「山口の影響もあるかもね。この強くならないといけないって思ったのは」
雪乃は天井を見上げる。
それから寝転がる。
俺は雪乃と同じ様に背後に寝転がる。
そして天井を見上げる。
「お爺さんやお婆さんになっても私、英二さんの隣に居たいな」
「...そうだな」
「英二さん」
「ん?」
「私ともし結婚して一緒になったらさ。天国で寂しくなるからさ。一緒に死んで天国とかに行ってくれる?」
まさかの言葉に俺は雪乃を見る。
雪乃はいつの間にか俺を見ていた。
俺はその真剣な眼差しに「...分かった。一緒に死んでから天国に行こうな」と言った。
まだ将来が分からない世界だが。
何だかその約束は胸に響きまくった。
それから俺は雪乃とまた手を握る。
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