十 毒鬼姫と新米侍女
(やっぱりだ)
採取したどの血液からも、
おもえば、彼女たちの
翡翠薄羽は春の蝶だ。そして、馨りの強い花を好む。
蝶自体に触れたかは確かめようがないが、いずれにせよ、翡翠薄羽の鱗粉に触れたがゆえに、痒みに襲われたのは
典籍をおもい
痒みを引き起こす原因は
となれば、必要なのは塗り薬だ。
「姫様〜……平手打ちされたところを冷やして参りました〜……」
「さね、申し訳なかったわ。早速で申し訳ないけれども、庭園から
「
彼女の
(やけに舌足らずだったわね。
◇
「さね。
「ひえええ……すみません」
案の定、さねは
挙げ句の果て、
「まあいいわ。
「は、はい! 憶えます……」
淡い花が散る。
「
「
庭園の
空は
「姫様、すぐに大傘を持ってきます!」
「いえ、大傘では駄目だわ。
(
さねに渡された菅笠を
四枚の白色と、中央の細長い黄緑色がめだつ花、
「わあ、綺麗な白い花!」
「花は白くないわ。
集合花とも
手に持っていた
「姫様……寒い……」
「後で
早春の
さねは何度も深く
門扉の周囲の雑草が晴れるほどの
蓉子の中では薬草採りは、戦支度でしかない。
この薬たちを
しかし蓉子は参っていた。
(薬が出来るには時間がかかると告げるか、どうしようか。最低でも一週間、漬け込まねばならないのに)
中宮の
「姫様、御手紙です。皇后陛下からです」
「中宮様が……」
封筒の中に入っていたのは、流れるような
早く、きみに救けさせし際のことは、あらぬけしきをとりてけりとぞ悔いたる。謝らせまほしき。生命の恩人にたいしたりとはもえぬ、なめし極まりなき行ひなりきとぞおもふ。きみがあらずは、
後宮に《
良き
――以前の恩を
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