九 翡翠薄羽
後宮の華は荒んでいた。
誰もが
「とても
「全身を掻きむしりたくて、仕方がないのです! これでも抑えている方で……もう、どうしたらいいの……!!」
ひとりひとりの刺された
「こんなに大勢のひとが、いちどに発症するって、あり得なくないですか? 刺す
「……そんなことないわね。春に舞うあの
後宮という
その蝶の名は、
「……わぁ……なんというか、桃源郷の景色みたいです……」
「この翡翠薄羽は、後宮や宮廷で鑑賞目的に、
そのときだ。
舞姫に誘われたか否か、さねがぼうっと
「っ……!?」
さねの
(良かった)
「さね、実は翡翠薄羽の
その痒みは、尋常ではない。
鱗粉が触れた
翡翠薄羽は一年で死ぬ。
一輪の花の蜜を吸い続け、花が枯れると同時に息絶える。その
そして、皆が決まって痒みに襲われて、
「そ、そうなんですね……危なかった……って、痒み!?」
「彼女たちを苦しめているのが翡翠薄羽かは、まだ決められない。でも、彼女たちの血液に、翡翠薄羽にしかない成分が
「うわぁ……こ、この野郎ー!!」
「だから触るなって云ってるでしょ」
拳骨を高らかと掲げたさねの
翡翠薄羽は、ひらひらと
「あー! どっかいっちゃう!!」
「どうっ、でもっ、よろしい。早くっ、帰るっ、わよっ……」
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