第6話「なんでこんなに敵が大量に来てるんだよ。」
〜優乃と野上の部屋〜
「とりあえずお疲れさん」
「ありがとさん」
初戦が終わり、数日は落ち着いていた。
だが、このままでは日本消滅まであと2週間程度しかない。
「早くラスボスが出てこればいいんだがな」
優乃がつぶやく
「まあ早めに身元が分かった方が絶対いいよねぇ……」
「そうだな」
すると、野上が思いついたように言う。
「あっ、そういえばさ、まだ前のことで大事な部分が思い出せてない気がするんだよね」
「へー、それがどうしたんだ?」
「いやあ、なにか大事なことを思い出せてない気がするから、またもしなにか思い出したらすぐ教えるねって話」
「まあ別にそれがなくてもなんとかなるだろ」
「まあそうかな」
まだ何か気になっているところはあったが、とりあえずスルーした。
すると、野上真紀の父、野上正人が部屋に入ってきた。
「2人ともおはよう」
「あ、おじさん。おはようございます」
「父さんおはよー」
「突然なんだが、2人には隣町へ引っ越して欲しい」
急なお願いに2人が驚く。
「隣町!?」
「済まない、実は敵のアジトと見られる場所が今朝完全では無いが特定出来てな、それが隣町のどこかだったんだ」
「へー……めんどくさいからヤダ」
「おい」
「てか、なんで敵のアジトが完全に特定できないんだよ。普通政府の組織の技術なら一瞬で分かるだろ」
「それがな、特定しようとしたら謎の電波妨害をされてどうにもならないんだ。おそらく敵がなにか仕掛けたんだろう。いずれにしても敵の動きに柔軟に対応するにはとりあえず私と君たちは隣町に行くしか無さそうなんだ」
「まあいいけど、その変わり高くつくぞ」
優乃がニヤつきながら言う。
「……まあ、そこの所は何とかしとく」
「こいつ……自分の立場がいいからって……」
真紀がボソッと言う。
「とりあえず明日には引っ越すことになる、だから早めに荷物をまとめて欲しい」
「はいはい」
「あんたねぇ……少しはピシッと返事しなさいよ」
「いつかはする」
「おい」
〜翌日〜
「おーい!起きろ!」
「1年経ったら起きるわ」
「お前がそんなに寝てたらその間に日本滅びるだろ、ふざけるなはよ起きろ」
「やだよー、昨日の夜ソシャゲやりすぎて寝れんかったからさー」
「なんで明日に予定があるって日も余裕でソシャゲしとるねん、このバカヤロウ」
「まあそのおかげで限定レアキャラ獲得したから許して」
「え、まじで!?すげー……じゃねえんだよこのゴミクズ野郎」
「口悪いなぁ」
「誰のせいだと思ってるんだよ……とりあえずさっさと引越しの準備するからね」
「りょーかい」
そうして、2人は引越しの準備を済ませた。
「引越しの準備って言っても、ほとんど寮から政府組織のビルへ移った時のままだったから荷物まとめやすくて楽だったなー」
「俺はなんにもしてないからめちゃくちゃ楽だったなー」
「こいつ……」
「ははは……2人とも平常運転だね」
正人が隣町へ向かう車を走らせながら苦笑いして言う。
小一時間過ぎたくらいに、隣町へ着いた。
「ここが君たちの住む場所だ」
「すんげー、前の部屋より広いしめっちゃ綺麗じゃねーか」
「上に言ったらいい部屋用意してくれたんだ」
「そうなんだ、本当に住み心地良さそうな部屋ね」
すると、突然警報が鳴りだした。
「警報……?ということは……」
「ちっ……またあのロボットがきやがったのかよ……」
「そうだな、出動してくれ。まあ、とりあえず頑張って戦ってくれ」
「言われなくても」
「私たちは仮の司令部を立てて指示をする、敵の位置はスーツ越しに画面が見えると思うがその右下のマップから分かる」
「エネルギー残量とかが表示されてる画面ですよね、分かりました。今向かいます」
「よろしく頼む」
そうして優乃はしばらく移動した。
「やっぱこのスーツめっちゃ動きやすいなぁ、体育の授業で使えればいいのに」
「何を言っとるねん、無理だろ」
「とりあえず大体の場所には着い……は!?」
「どうした!?今見えてる状況を共有してくれ」
「共有だから……これか」
すると今優乃が観ている景色とリンクした画面が出てきた。
「こ、これは……」
「いやいやいや……なんでこんなに大量に敵が来てるんだよ……」
そこには、数十体どころではなく、数百体の前日優乃と戦ったあの兵器ロボットが出てきた。
「おい、こんなの聞いてねえぞ!!!しかもエネルギーが満タンに溜められる時間が無くて70パーセントしか無いし……」
「70パーセントか、確か100パーセントで2時間とか言ってたはず、だとしたら1.4時間、すなわち約1時間半と言ったところか」
険しい顔で正人が言う。
「だけどあのビームとか他にも攻撃とかで一気にエネルギー削られたらやばいんじゃない!?」
「そうだな……」
〜ゲレヒティヒカイターの部屋〜
「まさかあのロボットがやられてしまうとはな、だが、あの数のロボットには適わないだろう。思ったよりロボットの大量生産は間に合った、そいつらに戦わせてしまえばここの特定はかなり時間がかかるだろう。今日は高みの見物とでもしよう」
そう言いながら、ワイングラスを片手に外を見下ろした。
「あと少しで計画は完遂できる。我ら人類の聖なる日、ゲレヒタークにな」
そのまま動かず戦いの場を見下ろしながら言った。
〜戦場〜
「くそっ、比較的エネルギー消費を少なくしようとしてもキリが無い……」
すると、スーツに表示されてるマップを見て言った。
「もしかしたら……」
「どうした、何かいい案でもあるのか?」
「ああ、とりあえず何とかしたいからここ一帯に避難を呼びかけて欲しい」
「わかった、今すぐ避難指示を出す」
「ありがとな、おじさん」
「これくらいは容易いから気にするな」
「別に気にしちゃいねえよ」
「ははは、そういえばそんな性格だったな」
「ほんと、クズなんだから」
冗談っぽく真紀が言った。
「とりあえず避難指示の緊急放送は流した、範囲は戦場の半径3キロで十分だよな?」
「ああ、ありがとう」
すると、優乃が少し飛びながらとあるところに移動した。
「これは……普通の路地???」
「ああ、なんも変哲のない路地だ、だが、この路地はほかの路地よりも格段に長いんだよ!!!」
すると、優乃を追いにぞろぞろと敵のロボットが路地に集まってきた。
「きたきた!!!」
笑顔で言う。
「まさか……」
「言っておくが、どれだけ物が壊れてもお咎めなしでよろしくな!」
すると、優乃が腕を伸ばした。
「さあ、エネルギー全開放!!!」
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