第4話 ごめん、好きな人ができた

年が明けて、冬の空気がまだ冷たい頃だった。


彼女の様子に、少しずつ変化を感じていた。

LINEの返事は短くなり、電話も減っていった。


そしてある朝、

彼女は、電話越しに静かな声で言った。


「ごめん、好きな人ができた」


信じられなかった。

4年かけて積み上げた日々が、一瞬で音を立てて崩れていった。


それでも、俺は引き止めることができなかった。


彼女の苦しさも、悩みも、全部が嘘じゃないと分かっていたから。


夜が明けた。

でも心には、深い闇だけが広がっていた。

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