Episode 33 ステータス
その1。〈廻鹿の角笛〉を吹き、〈
その2。〈命刀〉で自分の首を掻っ切る。
その3。歯車の角の回転が止まって弱体化した〈
1体倒すのに、角笛で呼び出す時間も含めて約30秒。
開始して数分と経たずに作業と化してしまったボス討伐だった。
「ますます、さっきの茶番の必要性が分からなくなってきたんですが……」
「ん〜、特に意味は無いわな」
さらりと言う師匠に私は呆れて、開いた口が塞がらない。
「私、めっちゃ必死で戦ってたんですけど」
「そうやって必死に戦うのが好きって人もおんねん。もしトウカがそっち側のプレイヤーなんやったら、初見の楽しみ奪ってまうのは可哀想やん? ま、トウカはそうじゃなかったみたいやけど」
「私が、楽できるなら楽したい側の人間で悪かったですね!」
「いや、悪かないけど……もしかして怒ってる?」
「いえ別に。楽できて感謝してますよ。とても」
「な〜、悪かったって〜! 機嫌戻してぇやぁ〜」
「だから怒ってませんって」
「ほら、怒っとる!」
「怒ってないです!」
そんな水掛け論をしている内に、討伐数は10に達していた。
〈廻鹿の角笛〉と〈命刀〉が尽きたらしく、やむなくレベリング? が終了すると同時、喧嘩とも言えないような軽い言い合いも自然と終りを迎えた。
◇
「案外早くに終わったなぁ」
私のステータスを確認して、満足気に頷く師匠。
「お、もうLV20やん。結構いったなぁ」
「私にも見せてください」
「ええけど……自分で開けばええやん、ステータス」
「開き方が分からないんです」
「なんやそれ」
はは、と笑う師匠。
どうやら冗談だと思っているみたいだ。
なんだか悔しかったので、「本当ですよ」とは言わないでおくことにした。
覗き見たウィンドウには、数字がずらりと並んでいる。
プレイヤーの情報を羅列したそれは、ステータスというらしい。
一番上に、〈トウカ〉と私の名前が表示されたそのステータスというものに、ざっと目通してみる。
――〈トウカ〉――
レベル「20」
所持金「80,000」
―― STATUS ――
ポイント「115」
HP「290/290」
SP「195/195」
物攻「48」
魔攻「48」
物防「48」
魔防「48」
技巧「48」
幸運「48」
―― WEAPON ――
〈命刀〉
―― ARMOR ――
頭〈――〉
腕〈――〉
胸〈革の胸当て〉
腰〈革のズボン〉
足〈革のブーツ〉
アクセサリー①〈――〉
アクセサリー②〈――〉
――――――――
所持金がかなり増えているということに気が付く。
どうやらこの世界ではモンスターを倒すことでもお金を手に入れることができるみたい。
10体倒して8万
8万あるということは、この世界に来て初めて自分で購入した1本1,000Gのペインティングナイフおよそ80本買えてしまう(買わないけど)。
ペインティングナイフ(中古)以外の物の値段の相場を知らないので、この数字が多いのか少ないのかイマイチ分からない。
ま、暇つぶしにバザールへ繰り出すくらいはできそうだね。
それにしても――
「ほとんど何書いてあるのか分かんないです……」
改めて所持金以外の箇所にも目を通してみるも、理解不能な単語や数値が、頭をするすると抜けていく。
「せやな、初心者だとそりゃそうなるわな」
そう言って、単語を上から順に指で辿り、解説をしてくれた。
◇
〈ポイント〉
――レベルが上がることで獲得する、特定のパラメーターを任意で上昇させることができるポイント。1レベル上がるごとに5ポイント獲得。10レベルごとには、代わりに10ポイント獲得。
〈HP〉
――通称ヒットポイント。生命力のこと。これが0になると、プレイヤーが死亡扱いになる。1レベル上がるごとに10上昇。
〈SP〉
――通称スキルポイント。
〈物攻〉
――物理攻撃力の略。物理的な攻撃力を意味する。1レベル上がるごとに2上昇。
〈魔攻〉
――魔法攻撃力の略。魔法や魔術(って何?)に関する攻撃力を意味する。あとは同文。
〈物防〉
――物理防御力の略。物理的な攻撃に対する耐久力を意味する。そして同文。
〈魔防〉
――魔法防御力の略。つまりそういうこと。
〈技巧〉
――主に生産職における技術力を意味する。高ければ高いほど、より良い効果のアイテムが完成する。
〈幸運〉
――名前の通り。宝箱から得られるアイテムのレア度だったり、攻撃のクリティカル率(?)、生産品のクオリティー補正(???)などの、一部のランダム要素に影響するらしい。
◇
一通り説明してもらうも、中々理解しきれずにもう一度。
というのを5回ほど繰り返した辺りで、音を上げる。
「さっぱりです」
「……まじかぁ。……普段当たり前に理解してることを、してない人に説明するって、めっちゃ疲れるんやな」
「なんかすみません……」
「いや、うちのほうも、なんかごめんな……」
恐らく大体は覚えれたので、ここらで諦めることに。
とりあえず、ばーってレベルを上げたらがーって強くなるというのは理解できた。
それと師匠が説明下手ということも知った……。
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