けいいち vs ガーラン(1)

 ガーランの足取りは砂の上を静かに踏みしめていた。だが、その身体を包む凄まじいオーラが、俺の心臓を狂ったように打たせる。

 深く息を吸い込み、俺は〈魔眼の剣〉を強く握り締めた。

 魔法は封じられ、今の俺にあるのは――この剣と、システムだけ。

 リンの回復も、ミチオの支援もない。

 あるのは、俺と――俺のシステムだけだ。


「俺を攻撃してこい、けいいち。」


 ガーランは冷静に言った、その言葉はまるで俺が風のように消えていく存在であるかのようだった。


 俺はスキル【加速】を起動する。

 周囲の世界がスローモーションのように感じられ、瞬時に俺の体は前進し、剣を掲げて胸に向けて斬りかかった。


「遅いな。」

 ガーランはつぶやきながら、剣を高く持ち上げ、俺の攻撃を恐ろしい力で弾き返した。

 その瞬間、彼は影のようにすばやく動き、反撃してきた。俺は魔眼の剣でその攻撃を受け止める。衝撃が響き渡り、バリア内に雷鳴のような音が鳴り響く。

 互いに斬り合い、金属音が速さを増して響き渡る。考える暇はない—本能が俺の動きを導いていく。


「ストライクブースト・フェーズI!」

 彼の剣が変化した。さらに速く、さらに重く。

 俺は弾き飛ばされ、足を引きずりながら砂の上で踏ん張る。


【システムスキル – シャドウステップ】

 体をジグザグに動かし、続く斬撃を避けた。小さな隙間から横に斬り込んだが、彼はタイミングよく受け止めた。


「ふん…システムか。相変わらずうるさいな。」

「ダークファングスラッシュ!」

 俺の一撃は黒い波となり、砂を切り裂いた。

 ガーランは後ろに飛び退き、ニヤリと笑った。


「面白いな。」

 彼は叫び、スキル「ヴォイドシールド」を発動—紫色のエネルギーで覆われた盾が現れ、俺の攻撃をすべて呑み込んだ。


「くそっ!」

 俺は後ろに飛び退くが、すでに彼は近づいていた—その剣が嵐のように回転して飛び込んでくる。


 俺は「ブリンクステップ」を使い、背後に瞬間移動して反撃した。


「なかなかやるじゃないか。」

 彼は冷静に言った。「だが、お前の動きはまだ整いすぎている。」


 血が肩から滴り落ちる。いつ攻撃を受けたのかさえ分からない。

「油断するな、けいいち!」リンの声がバリアの外から聞こえた。「私たちがこのバリアを壊す方法を探している!」


 俺は振り返ることなくうなずき、深呼吸した。

「本気で行く時だ。」


 突然、俺の剣が震えた。濃い暗黒のオーラが湧き上がり、リリスがその中から現れた。システムから通知が届く。


「デビルモード」—アクティブ。


 俺の体を青黒いオーラが包み込む。剣の柄にある魔眼が鮮烈に光り、リリスの声が頭の中にささやく。


 さあ、けいいち。殺戮を楽しもう。


「うるさいな。」俺はつぶやき、再び前に飛び込んだ。


 斬撃と衝突が再び続き、俺の使うスキルすべてが彼の圧倒的な力に押し返される。


「ソウルカッター」—彼の剣が変化し、エネルギーをまとった刃が空気を切り裂き、小さな爆発を生む。


 俺は「アビスガード」で受け止めるが、その衝撃で胸が締めつけられるような感覚を覚えた。


 ガーランは攻撃を止めることなく続ける。

「さっさと死ね。この世界にはお前のような者は必要ない。」


「なら…お前を滅ぼすために生きるさ!」

「チェーンストライク」—五連続の斬撃が間髪入れずに繰り出される。


 三つは弾かれ、二つが彼に命中する。しかし流れ出た血が彼の表情ににやりとした笑みを浮かべさせる。


「久しぶりに血を流すな。面白い。」


 上空で、バリアがゆっくりと震え始めた。リンとミチオが封印を破る方法を模索しているのだろう。


 リリスが再びささやく。

「殺せ、けいいち。奴は暗黒の魂で満ちている...私が食い尽くしてやろう。」


 俺は剣を持ち上げた。「この戦いは終わらない。」


 ガーランはクスクスと笑った。

「いいぞ。その調子だ。さあ、続けよう…どちらかが死ぬまで。」


 再び、俺たちの剣がぶつかり合う。黒と紫の光が戦場を満たす。


 俺は深呼吸した。集中しなければ。

「システムスキル – ブレードエクステンション。」

 剣が伸び、遠くから斬りかかった。ガーランはそれをかわし、回転斬りで反撃してきた。


「ソウルスラッシュ!」

 黒いオーラが空気を切り裂き、砂を吹き飛ばす。俺は背中で転がり、かろうじて回避する。


「俺たちは…まだ互角だ。」

「お前は本当に俺にふさわしい相手だな、けいいち。」


 ◆◆


 ガーランは満足そうに微笑み、目を輝かせながら言った。

「お前にはまだ隠し玉があるようだな、けいいち。でもな…先に疲れるのはお前だ。」


 彼は素早く回転し、剣を振り下ろす。

 俺はそれを受け止めたが、次々に襲い来る攻撃に後退を余儀なくされる。

 体が疲れてきたが、心は決して折れない。


「システムスキル – ボルテックススラッシュ!」

 俺の剣が回転し、鋭い風の波を放った。しかし、ガーランは横に飛んでそれを簡単に避けた。


「けいいち、まだまだ弱いな。」

 彼は無感情に言った。そして影のように素早く動き、その剣が俺の皮膚を引っ掻いた。血が流れたが、俺は立ち続けた。

「くそっ!」

 痛みを堪えながら呻く。これが本当の戦いだ。少しでも油断すれば、死が待っている。


 ガーランは容赦なく攻撃を続けてきた。その一撃一撃が激しく、俺は次々とそれを防いでいった。

 俺は「システムスキル – ヘイスト」を発動し、体の動きを加速させた。

 斬撃を一つ一つ防いだが、彼は新たなスキルで反撃してきた。


「ダークブレード – 死神の触手」

 その一振りがより速く、重くなった。俺はその速度についていけなかった。


「システムスキル – ダークフレイム!」

 黒い炎が彼に向かって爆発的に飛んでいったが、彼はただ笑って、跳ねるように避けた。

「避けられないと思っているのか?」

 彼は嘲笑した。


「ダークレイジスラッシュ!」

 闇のエネルギーが一気に突進してきた。俺はそれを受け止めたが、衝撃で全身が震えた。


「くそっ…」

 俺は後退し、息が荒い。ガーランは強すぎる。しかし、まだ一つ希望がある—この剣だ。魔眼の剣、リリス。


「システムスキル – リフレクティブシールド!」

 エネルギーの盾が現れ、次の攻撃を防ぐ。俺はその隙に力を溜め、剣を前に向けた。


「システムスキル – ブラックゲイル!」

 黒い風が俺を取り囲む。しかしガーランは間髪入れずに攻撃を続けてきた。


「ソウルドレイン – 喰らう者の怒り!」

 闇のエネルギーの波が押し寄せ、俺の盾を一瞬で破壊した。俺は後ろに弾き飛ばされ、胸が圧迫されるような感覚を覚えた。


「けいいち、お前は勝てない。」

 彼は冷たい声で言った。

「俺は…お前を滅ぼすまで生き続ける!」


「システムスキル – アブソリュートダークネス。」

 俺の全身が黒い霧に包まれた。ガーランが一瞬、緊張した様子を見せた。


「これで十分だと思っているのか?」

「ソウルリヴェール – ナイトメアヴィジョン!」

 暗い光が周囲を照らし、俺の存在を暴き出した。


 だが、俺はすでに動いていた。

「システムスキル – ヴォイドストライク!」

 俺の剣が影を突き抜け、彼の体を打った。


「うっ…」

 ガーランは後退し、口から血が流れた。しかし、彼は笑っていた。

「なかなか面倒くさいな。」


 彼の剣がますます暗く光り始めた。

「もう後戻りできないな、けいいち。」


 俺は「システムスキル – バーサクモード」を発動させた。

 体中に力がみなぎり、動きがますます荒く、速くなった。しかしガーランは怯むことなく戦い続けた。


「ソウルリーバー – 解放された者!」

 彼の一撃一撃がますます凶暴になってきた。俺たちは激しくぶつかり合い、空気を切り裂くような轟音が鳴り響いた。


「システムスキル – デスブルーム!」

 俺の剣が暗く輝き、死の花のように開花した。俺はそれを振り下ろしたが…


「ソウルガード – 永遠の盾!」

 彼の盾が俺の攻撃のほとんどを吸収した。


「俺を倒すのは簡単じゃないぞ、けいいち。」

 俺の体は震えていたが、まだ立っていた。呼吸が荒く、ガーランは確実に歩みを進めていた。


 俺たちは再び構えた。剣を高く掲げる。


「システムスキル – ダブルストライク!」

 二つの斬撃が同時に繰り出される。ガーランはそれを避け、反撃をしてきた。

 俺たちは互いに斬りかかり、衝撃が戦場を揺らした。


 体中に汗がにじみ、呼吸が重くなる。俺たちの足取りが弱まりつつあるが、心の中ではまだ火が灯っていた。


「これが終わりだ、けいいち。」

 ガーランはそう言って、破壊のエネルギーに包まれた剣を振り下ろした。


「お前は俺の運命の一部になるんだ。」


 俺は歯を食いしばり、言った。

「絶対に負けない、ガーラン!」


 最後の一撃を決めるため、剣を振り上げた。


 剣がぶつかり合い、叫び声とエネルギーの閃光が戦場を満たす。


 この戦いはまだ終わっていない。けいいち vs ガーラン… クライマックスへと向かっている。


「もしこの魔法のバリアがなければ…」

 俺は心の中で思った。「もっと早く倒せるはずだ…」

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